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10. 謎掛けでさよなら〇〇さん

「さて、では答えてみせよ!」

「おう!」

「シカと10回唱えよ」

「シカシカシカシカシカシカシカシカシカシカ」

「サンタさんがのってるのは?」

「ソリだ。はっ、子供だましか。その程度に引っかかるものか」

「ブブー」

「は?」

「サンタさんがのってるのはクリスマス気分でしたー。残念」

「おい!ふざけんな!!」

「では不正解者の魂をいただこう」

「え?魂?いやいや、そんなの聞いてないぞ!ちょ、ちょっとまてー!!」

「ちょっと、マル?」

「マルマルさん、倒れちゃいましたけど、ホントに死んじゃったんです?ホントに?冗談じゃなくて? 」

「息をしていないですね。心臓も動いていません。なんという魔法。やはりほしい」

「うそでしょ、こんなあっさり、うそよね、マル」

「おい、ユミ!しっかりしろ!」

「さて。次は誰の番だ?」


「ふむ、挑戦者はおらんか。威勢だけは良かったがしょせん人間。この程度か」

「なんだと、てめえ!だったらオレがやってやる」

「勇者くん、ちょっとは落ち着きなさいよ」

「お主、バカじゃの」

「くぅー!バカかどうか教えてやる。さあこい!!」

「うむ。では問題だ」

「ぉ、おう」

「アリさんが10匹います。彼らはどのような想いを伝えたいでしょうか」

「ど、どんなおもいだと。そんなのわかるわけが」

「それが回答だな」

「いやいや、ちょっとまて、まってくれ。もうちょっと考えさせてくれ、ください」

「よかろう」

「ねえ、それわたしが答えてもいいの?」

「む、よかろう」

「お前、おまえ、まあ今回はいいだろう、よろしく、です」

「アリさんが伝えたいのって感謝の気持ちでしょ」

「うーむ、やるな」

「どいういうことだ!教えてくれ、一体どう考えたらそんな答えにたどり着けるんだ。アリだぞ、どうやってその気持をおしはかるんだ」

「あんたちょっと黙って。答えたわよ。それで?」

「うむ。次の問題に移ろう」

「えー、答えたのに何にもないの?」

「ふっ。すべての問いに答え我を打ち負かしてみせよ」

「ちょっとは何かあってもいいでしょ」

「そうよ、一方的なのはどうかと思うわ」

「がめついな。とりあえず言ってみよ」

「肉球触らせて」

「セツカちゃん、そこはマルの魂を戻すべきでは」

「肉球!うむ。よかろう。我が自慢の肉球を堪能するがよい」

「よし」

「ど、どうであるか」

「うーん。こんな頑丈な肉球は肉球じゃないわ」

「そ、そんな。そうであるか。そうで、あるか。では次の問題を」

「待って。今度はこっちよ」

「うむ。よかろう」

「川にいる嘘つきの生き物は何でしょう」

「お前、何言ってるんだ、正気か?」

「あんた冒険に出る前に学校にいきなさい」

「嘘つきの水溶生物、カッパか!」

「カッパ?何かわかんないけど残念でしたー」

「な、なんだと、この我をもってしても解けん難題、お主、やるな」

「おい答えは何なんだ!」

「アホばかりですね。あれ、やっぱりいらないですね」


「よし、よくやったわセツカちゃん。じゃあマルを」

「ちょっとあんた、その魔法使うのなしよ」

「魔法を使うなと。そんなことしたら我は木偶の坊。断る。うむ?はて」

「どうしたの?」

「いや。何でもない。しかし、そんなはずは」

「あれ、そういえばなんでこんな謎解きしてるんだっけ。ていうか前足でわたしをはたいちゃえばいいのになんでやらないの?あ、ちょっと、急に立ち上がってどこ行くのよ」

「ふっ。敗者は去るのみ」

「まだ次の問題解いてないけど、いいの?」

「よか」

「なによ、せっかくやる気になってきたのに。うん?木偶の坊?あー!あんたさては弱いわね」

「では!さらばだ」

「みんな追って追って!勇者くん、出番よ!」

「うっせーな!まかせろ!頭脳以外なら負けねーぜ」

「させません」

「ちょっとシロ!」

「こんな興味が尽きない素体をみすみす見殺しになど出来ません」

「どきなさい」

「ユミさん。先ほどの魔法を解明すればマルマルさんの魂を戻すことも可能かもしれませんよ」

「それは、でもそんな簡単にいくものではないでしょう。時間もかかる」

「ええでは肉体は私達が保管して」

「シロ。どきなさい。それは始末するわ」

「残念です。では覚悟してください」

「ねえ、シロ。私今とても怒ってるの。覚悟を決めるのが誰なのかわかっているのかしら」

「そ、それは、そのでも、でも、あれが解剖したいんです!」

「あらそう。残念ね」

「そんな理由なのか。クロ、なんとか止めてよ」

「残念ですが、シロは止まりません。もう殺さないと」

「いやいや、どう考えたってユミさん勝つでしょ。魔法使えるくらいであの人がどうにかなるとはとても」

「そうだね。でも決めたのはシロだ」

「がはは。我が知恵の前にはなすすべがないと見た。さすが魔王殿である」

「魔王?」

「うむ。我が魔力は随一である。しかしこの空前絶後の問いかけ魔法しか使えぬのだ」

「あら、残念な力ね」

「うむ。故にこのなぞなぞで相手を仕留めることを思いついたのが魔王殿である」

「その魔法、どのような仕組みなんです。気になって眠れそうにないです」

「さて。それがわかれば他の魔法を使っておろう。1つわかっているのはこれは我にのみ使えるということ。何故ならばこの魔法は膨大な魔力を必要とする故」

「え?それって私達ではどうにも出来ないんですか?」

「うむ。無理である。技巧派の大山羊さんでさえ習得出来なんだ」

「燃え尽きろ」

「グガァァァァァァァ、だがしかし、我を倒しても第2第3のなぞなぞ使いが貴様らの行手を」

「はいはい。水よー、その者の顔を包め」

「がぼがぼ、がぼぉぉぉぉー」

「期待外れだからって。えげつないわね、シロ」

「シロは気分屋だから」


「さて皆さん、脅威も去ったことですし。はりきって冒険の旅を再開しましょー」

「そんな簡単にいくと思ってるの?」

「えーと、敵は頭脳派でしたので敵を欺くため」

「逃走を助けただけじゃない。言い訳できるものならやってみなさい」

「う、はい。それはー、その、実はー、えーと。ごめんなさい」

「はぁー、いいわ。マルも戦死。この状況で戦力を減らすのは得策じゃない。シロ、次はないからね」

「はい」

「マル、まさかこんなことで。まったく、これじゃここまで来た意味が。仕方がないわね。ダグ」

「ああ」

「指揮はわたしが取るわ」

「そうだな」

「とりあえず、マルはここで弔いましょう」

「私お手伝いいたします」

「ええ。きっちり働きなさい」

「おまかせくださいませ」

「シロが従順になったわね。あれ、勇者くん妙に静かじゃん。どうかしたの?」

「おう。さっきからなんか変な感じがする。なんかピリピリする。何か感じないか?」

「うーん、感じるような感じないような」

「もういいや、あっちいけ」

「もー。元気ないなんて珍しいわね」

「さっきから思ってたけど、この状況で平然としてるセツカちゃんって思ってる以上に図太いわね」

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