表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
比較憲法私的解釈  作者: 尚文産商堂
アメリカ合衆国憲法 第1章「立法部」
6/56

アメリカ合衆国憲法[5] 第3条

第三条 〔司法府〕

第一節 合衆国の司法権は、一つの最高裁判所および連邦議会が随時制定、設置する下級裁判所に帰属する。最高裁判所および下級裁判所の判事は、善行を保持する限り、その職を保ち、またその役務に対し定時に報酬を受ける。その額は在職中減ぜられることはない。

第二節 (一)司法権は次の諸事件に及ぶ。すなわち、本憲法、合衆国の法律および合衆国の権限により締結され、または将来締結される条約の下に発生するすべての普通法および衡平法上の事件、大使その他の外交使節および領事に関するすべての事件、海事裁判および海上管轄に関するすべての事件、合衆国が当事者の一方である争訟、二つまたはそれ以上の州の間の争訟、〈一州と他州の市民との間の争訟〉、異なる州の市民の間の争訟、異なる諸州の付与に基づく土地の権利を主張する一州の市民間の争訟、ならびに一州またはその市民と他の国家〈または外国市民あるいは臣民〉の間の争訟。[〈 〉内は修正第十一条で改正]

(二)大使その他の外交使節および領事に関する事件、ならびに州が当事者たるすべての事件については、最高裁判所は第一審管轄権を有する。前項に述べたその他すべての事件については、最高裁判所は、連邦議会の定める例外の場合を除き、またその定める規定に従い、法律および事実に関し、上訴管轄権を有する。

(三)弾劾の場合を除き、すべての犯罪の裁判は陪審によって行われるものとする。裁判はその犯罪が行われた州で行われる。ただし、犯罪地がいずれの州にも属さない場合は、裁判は連邦議会が法律で指定する場所で行われる。

第三節 (一)合衆国に対する反逆罪は、合衆国に対して戦争を始め、または敵に援助および便宜を与えてこれに加担する行為のみに限られる。何人も、同一の明白な行為に対する二人の証人の証言があるか、または公開の法廷における自白に基づく場合を除いては、反逆罪として有罪の宣告を受けることがない。

(二)連邦議会は反逆罪の刑罰を宣告する権限を有する。しかし、反逆罪の判決に基づく私権剥奪によって、その処罰を受けた者の生存中を除くほか、血統汚損または財産没収が生じてはならない。


第3条の条文を見て、桃子が真っ先に言った。

「『弾劾の場合を除き、すべての犯罪の裁判は陪審によって行われる』っていうことになっているんだね」

「そう。日本で言うところの『裁判員』みたいなものだよ。弾劾って言うのは、日本の時にもしたとおり、『身分保障のある公務員の非行に対し、国会の訴追によって罷免または処罰する手続き』[http://kotobank.jp/word/%E5%BC%BE%E5%8A%BEより抜粋]のことだね」

「司法に関しては、日本と似てないんだね」

桃子が見比べながら言った。

「そうだね、『反逆罪』は正式には日本にないよ。でも、日本の刑法の『外患罪』と『内乱罪』を組み合わしたようなものだと思えば、いいかもね」

「なるほどね」

「このアメリカの条文のところで、日本と共通しているのは、第1節や第2節|(1)の一部分ぐらいかな」

「それぞれ日本では、第76条、第77条と第81条の一部だね」

「そんなところ。でもそれ以外は基本的に日本とは大きく違うんだよね。アメリカ側で特に眼につくのは、反逆罪の規定がある第3節の部分かな。特に、日本では『弾劾裁判』を除いては、国会が裁判に関わるのはないんだ。もちろん、司法大臣になれば、いろいろ圧力を掛けたりすることもあったりするかもしれないけどね。まあそれはともかく、アメリカの場合は、一つの罪だけど、議会で裁判を行うことが出来るかのように掻いているって言う点でかなり異なってるね」

桃子はフンフンとうなづきながら聞いていたが、伊野上が言い終わると言った。

「じゃあ、次は?」

「次行くかい?次は第4条、『州間の関係および州と連邦との関係』についてだよ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ