アメリカ合衆国憲法[53] 修正第26条:投票年齢の引下げ
修正第26条[投票年齢の引下げ][1971年成立]
第1項 合衆国またはいかなる州も、年齢を理由として、年齢18歳以上の合衆国市民の投票権を奪い、または制限してはならない。
第2項 連邦議会は、適切な立法により、この修正条項を実施する権限を有する。
伊野上は、桃子と一緒に、図書館で分厚い本を指でなぞっていた。
「投票年齢は、日本は法律だけど、アメリカは憲法で書かれているんだ。ちなみに、ここでの投票権を有する者というのは、選挙権の年齢ということで、立候補するための年齢とは違うからね」
「確か、上院議員は30歳、下院議員は25歳だったっけ」
伊野上の言葉に桃子が答えた。
「そうそう。合衆国憲法第1章第2条で下院、第1章第3条で上院のそれぞれの被選挙権の年齢が書かれていたね。さらに言えば、合衆国大統領は35歳だったね」
伊野上がそう言いつつ、いったんページを戻ってその条文を確認した。
「そうだったね」
桃子が思い出したように言う。
「この条文のおかげで、アメリカの全ての選挙では、18歳を選挙権の発生年齢とされることになっているんだ。そこで、州ごとの地方選挙も当然18歳だし、議会の選挙も、大統領選挙も18歳以上は投票できるんだ。これを行うために、アメリカ連邦議会は適切に立法措置を取って、18歳選挙権を十刷るようにする権限を持つことが明記されているということ」
「なるほど」
桃子は少しうなづきつつ、伊野上の話を聞いていた。
「じゃあ、次に行こう。次が最後かな。修正第27条だよ」
伊野上はそう言って次の条文へと目を移した。