アメリカ合衆国憲法[47] 修正第20条:正副大統領と連邦議員の任期
修正第20条[正副大統領と連邦議員の任期][1933年成立]
第1項 大統領および副大統領の任期は、この修正条項が承認されていなければその任期が終了していたはずの年の1月20日の正午に終了し、上院議員および下院議員の任期は、同じ年の1月3日の正午に終了する。後任者の任期はその時に始まる。
第2項 連邦議会は、毎年少なくとも1回集会するものとする。会期の開始時期は、法律で別の日が指定されない限り、1月3日の正午とする。
第3項 大統領に選出された者が、大統領の任期の始期として定められた時に死亡していた場合には、副大統領として選出された者が大統領となる。大統領の任期の始期として定められた時までに大統領が選出されていない場合、または大統領として選出された者がその資格を備えていない場合には、副大統領として選出された者が、大統領がその資格を備えるに至るまで、大統領の職務を行う。連邦議会は、法律により、大統領として選出された者も副大統領として選出された者もともにその資格を備えていない場合について定めを設け、誰が大統領の職務を行うかについて、またはその職務を行う者を選出する方法について、宣明することができる。この者は、大統領または副大統領がその資格を備えるに至るまで、大統領の職務を行う。
第4項 連邦議会は、法律により、下院に大統領の選出権が発生した場合に大統領として選出することのできる者の中に死亡者が出たとき、および上院に副大統領の選出権が発生した場合に副大統領として選出することのできる者の中に死亡者が出たときについて、定めを設けることができる。
第5項 第1項および第2項は、この修正条項が承認された後の10月15日に効力を生ずる。
第6項 この修正条項は、提議された日から7年以内に、4分の3の州の立法部によりこの憲法の修正として承認されない場合には、その効力を生じない。
伊野上と桃子は、図書館で静かに本を広げている。
「大統領と副大統領、それと連邦議員の任期などについてだね」
「議員の任期については日本にもあるけど、確か議院内閣制で議員の中から総理大臣が選ばれるから、日本には大統領みたいな規定がないんだね」
桃子が伊野上に言うと、伊野上はうなづいた。
「そうだね。実際、必要ない規定は、わざわざ付け加えることはないからね」
そのうえで、伊野上が続ける。
「大統領と副大統領の任期は1月20日の正午に終わることになっていて、連邦議員の任期は同年の1月3日の正午に終わるんだ。これと同時に後任の人の任期が始まるんだ。さらに、連邦議会には常会が決められていて、1年に1回、1月3日の正午に召集されることになっているんだ」
ふんふんと、桃子は伊野上の話を聞いていた。
「あとは大統領が選出されてから着任する前に死んだ場合には副大統領が大統領となるとか、資格がない人が大統領になった場合などの規定があるね。実際、このあたりはなじみがないからよくわからないけど」
「日本は、首相は国会の議決で、国会議員の中から選ぶことになってたものね。ということは、人気も議員と同じということになるのか。だったら、こういう大統領の任期みたいな特別な規定はいらないものね」
「そういうことになるね。議員の任期については、衆議院議員は4年、参議院議員は6年ていう風に分かれているし、常会の会期は年に1回開くだけの規定しかなかったね」
それがどうなのか、というのはあえて伊野上は言わなかった。
「じゃあ次に行こうか。次は修正第21条についてだよ」




