アメリカ合衆国憲法[39] 修正第12条:正副大統領の選出方法の改正
修正第12条[正副大統領の選出方法の改正][1804年成立]
選挙人は、各々の州で集会して、無記名投票により、大統領および副大統領を選出するための投票を行う。そのうち少なくとも1名は、選挙人と同じ州の住民であってはならない。選挙人は、一の投票用紙に大統領として投票する者の氏名を記し、他の投票用紙に副大統領として投票する者の氏名を記す。選挙人は、大統領として得票したすべての者および各々の得票数、ならびに副大統領として得票したすべての者および各々の得票数を記した別個の一覧表を作成し、これらに署名し認証した上で、封印をほどこして上院議長に宛てて、合衆国政府の所在地に送付する。上院議長は、上院議員および下院議員の出席の下に、すべての認証書を開封したのち、投票を計算する。大統領として最多数の投票を得た者の票数が選挙人総数の過半数に達しているときは、その者が大統領となる。過半数に達した者がいないときは、下院は直ちに無記名投票により、大統領としての得票者一覧表の中の3名を超えない上位得票者の中から、大統領を選出しなければならない。但し、この方法により大統領を選出する場合には、投票は州を単位として行い、各州の議員団は1票を投じるものとする。この目的のための定足数は、全州の3分の2の州から1名または2名以上の議員が出席することを要し、大統領は全州の過半数をもって選出されるものとする。下院にかかる選出権が発生した場合に、【つぎの3月4日になる前に大統領を選出しないときは、】[修正20条により改正]大統領に死亡その他憲法上執務不能の事情が生じた場合と同様に、副大統領が大統領の職務を行う。副大統領として最多数の投票を得た者の票数が選挙人総数の過半数に達しているときは、その者が副大統領となる。過半数に達した者がいないときは、上院が、得票者一覧表の中の上位2名の中から、副大統領を選出しなければならない。この目的のための定足数は、上院議員の総数の3分の2とし、選出には総議員の過半数を要するものとする。但し、憲法上大統領の職に就く資格がない者は、合衆国副大統領の職に就くことはできない。
伊野上は、桃子と図書館にいる。
「正大統領というのが、いつも言っている大統領のこと。で、副大統領は副大統領だね」
「日本だと内閣総理大臣だったっけ」
「そうそう。日本では第67条で国会議員の中から決めるということになっているんだ。アメリカ大統領は州ごとに集計したうえで選挙人を選んで、その選挙人が大統領を決める投票をするという2段構えになっているんだね。ここではその大統領選挙の方法が書かれているんだ」
「この修正第20条で改正されたっていう所は、いまは違うということなのかな」
「それはその時にならないとわからないなぁ」
次に行くねと言って、伊野上は視線を動かした。