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アメリカ合衆国憲法[38] 修正第11条:州に対する訴訟と連邦司法権
修正第11条[州に対する訴訟と連邦司法権][1795年成立]
合衆国の司法権は、合衆国の一州に対して、他州の市民または外国の市民もしくは臣民が提起したコモン・ロー上またはエクイティ上のいかなる訴訟にも及ぶものと解釈されてはならない。
井野上が桃子に話しかけている。
「合衆国の司法は、前にも見てるけど、連邦裁判所と州裁判所の2つが並列しているんだ。そこで問題になるのが、それぞれの管轄について。それに州ごとに作られる州法などの兼ね合いだね。この修正条項によって、そのあたりが規定されるんだ」
「つまり、連邦裁判所が行使する司法権と言うのは、どこかの州に対して、他の州の人や外国籍の人などが提起した全ての訴訟に適用されるように解釈できないということ?」
「平たく言えば、一つの州で適用されたからと言って、他の州で適用されるとは限らない、ということかな」
「難しいねぇ……」
困り顔で桃子がつぶやいた。
「じゃあ、次に行こうか。次は、修正第12条、正副大統領の選出方法の改正についてだ」




