アメリカ合衆国憲法[33] 修正第6条:刑事陪審裁判の保障、被告人の権利
修正第6条[刑事陪審裁判の保障、被告人の権利][1791年成立]
すべての刑事上の訴追において、被告人は、犯罪が行われた州の陪審であって、あらかじめ法律で定めた地区の公平な陪審による迅速かつ公開の裁判を受ける権利を有する。被告人は、訴追の性質と理由について告知を受け、自己に不利な証人との対質を求め、自己に有利な証人を得るために強制的手続きを利用し、かつ、自己の防禦のために弁護人の援助を受ける権利を有する。
伊野上と桃子は、本を見つめつつ、図書館なので小声で話していた。
「ここは、州てのを除くと、大体日本の第34条や第37条あたりと似ているんだ」
伊野上が話すと、すぐに桃子が答える。
「確かに、陪審裁判だとかは無いけどね。日本だと、裁判員裁判以外の裁判の方が多いし」
「そうだね」
伊野上が答えると、ふと、桃子が聞いた。
「そういえば、日本のだと『直ちに弁護人に依頼する権利』というのが与えられるということになってたけど、ここには、『自己の防禦のために弁護人の援助を受ける権利』なんだね」
「実は、ミランダ警告って言うのがあるんだ。そっちがそのあたりをカバーしているんだ」
「ドラマとかでよく聞くやつだ。確か、黙秘権がある、供述は法廷で不利な証拠として使われる場合がある、弁護士の立ち会いを求めることができる。さらに自分で弁護士を依頼するためのお金が無ければ、交戦弁護人を付けることができるっていうやつだったね」
「そうそう。本当は、このひとつ前、修正第5条関連で話されるんだけどね」
伊野上は、そう桃子に笑い、次へと進むことにした。
[作者注:ミランダ警告については、Wikipediaを参考しました。
・ミランダ警告
http://ja.wikipedia.org/wiki/ミランダ警告
・ミランダ対アリゾナ州事件
http://ja.wikipedia.org/wiki/ミランダ対アリゾナ州事件
ミランダ対アリゾナ州事件と呼ばれるアメリカ合衆国連邦最高裁判決で定義された、警察が被疑者に対して警告を告げることを義務としました。これを、ミランダ警告と通称される警告文です。すでに桃子が述べている通り4つの事柄を警告しなければならないということになっています。この警告は、全ての尋問開始前に被疑者に対して行うことになっています。但し、文書でも口頭でも、どちらでもよく、さらにその内容を重視するということもあり、その通りに伝えなければならないというわけではありません。要は、内容が正しく被疑者に伝わればいいということです。]