アメリカ合衆国憲法[10] 第8条:第1項~第9項
第8条[連邦議会の立法権限]
[第1項]連邦議会は、つぎの権限を有する。合衆国の債務を弁済し、共同の防衛および一般の福祉に備えるために、租税、関税、輸入税および消費税を賦課し、徴収する権限。但し、すべての関税、輸入税および消費税は、合衆国全土で均一でなければならない。
[第2項]合衆国の信用において金銭を借り入れる権限。
[第3項]諸外国との通商、各州間の通商およびインディアン部族との通商を規制する権限。
[第4項]統一的な帰化に関する規則、および合衆国全土に適用される統一的な破産に関する法律を制定する権限。
[第5項]貨幣を鋳造し、その価格および外国貨幣の価格を規制する権限、ならびに度量衝の基準を定める権限。
[第6項]合衆国の証券および通貨の偽造に対する罰則を定める権限。
[第7項]郵便局を設置し、郵便道路を建設する権限。
[第8項]著作者および発明者に対し、一定期間その著作および発明に関する独占的権利を保障することにより、学術および有益な技芸の進歩を促進する権限。
[第9項]最高裁判所の下に下位裁判所を組織する権限。
伊野上が、桃子に見せながら簡単に言った。
「ここは、連邦議会についてだね」
「連邦議会っていうことは、日本で言うと…?」
桃子は伊野上に聞いた。
「国会みたいなものなんだけどね、日本の組織としては連邦議会はないね」
「うーん…国会じゃないんだぁ…」
桃子がそうボソッと言った。
「まあ、感覚的には国会みたいなものだよ。権限はかなり強いけどね」
「どんな感じ?」
「例えば、通貨に関する規制とかを独占的に決定することができるんだ。他にも、『合衆国の信用において』という条件が付いているけどお金を借りる権限、郵便局や郵便の専用道路を作ったりする権限もあるよ」
「インディアン部族とのことは、日本には無いわね」
「先住民との間のことの通商に関してだね。日本では、アイヌ民族が近いかな。憲法レベルじゃなくて、法律レベルでだけど、状況は似通っているかもね」
「詳しくは、また調べてみよう」
桃子が伊野上に言った。
[作者注:アイヌ関連についてはWikipediaをご参照ください。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%8C]
「じゃあ、次はこの条の続きだね」