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「僕も姉上の考えに賛成です。今のまま外に出てしまうと、働く先がなく、生活の為に犯罪に手を染めてしまう可能性も考えられます。そうならない為にも、子供達の可能性を広げてあげるべきです。
知らない事を知る事は本来、辛い事ではなく楽しい事のはずです。知らない事を一つ知るたびに自分の世界が広がるのですから。
それに、学問を学べば、世の中の事を知る事ができ、善悪の判断がつくようになります。そうすれば簡単に人に騙されたりする事もないでしょう。彼らの安全も確保されます。
職業訓練を通しては、自分に向いている事が何なのか、発見する事もできるでしょう。そうすれば、なりたい自分に向かって努力する事も出来るでしょうし、目標が出来れば、それだけでも日々の生活が楽しくなるでしょう。決して苦しい事だけではないはずです。」
えええ~!テオちゃん!あなた本当に八歳なのぉ~?見た目は子供、頭脳な大人ってやつ!?
凄いわよぉ~。そんな的確に物事を説明できるなんて~。私いらなかったかしら~。
「そうですね。王女様、王子様の仰る通りだと思います。」
院長は私達の話に納得したようだった。
私とテオちゃんは顔を見合わせぱあっと顔を輝かせた。
「私達の話に賛同してくれてありがとう!」
「いえ、私の考えが狭量だったのです。」
院長は辛そうな表情を浮かべた。私はそこで補足を加える事にした。
「いいえ。院長は、私達が知らない子供達の苦境を知っている。だから、そのような考えに至った。ここで過ごす子供達は本当に楽しそうです。それは、院長が子供達の事を考え、心のケアをしてくれたおかげだと思います。彼らの心を守ってくれてありがとうございます。」
私は王女として、院長に頭を下げた。
「頭をあげて下さい。」
院長は慌てて私に駆け寄った。
私は顔を上げ、院長に向かって笑った。院長もつられて笑った。




