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氷と恋
雪が止んだから
街に出てみた
お気に入りの
さくら色した
パンプス履いて
…道の脇に
残った雪は
黒ずんで
溶けかかっていて
何だかとても
悲しかったよ
あんなに綺麗だったのに
あんなにキラキラしてた
のに
残酷なほど儚い…。
あなたとあたしの
関係みたいで
ちょっぴり泣いた
ぼうっとしてたら
氷に滑った
そしたら誰かが
支えてくれた
あなたかと思った
でも違っていた
背の高い男の人
「大丈夫?」 って
言ってくれたよ
うれしかったよ
優しい言葉は
久しぶりで
あなた以来で
うれしかったよ…
お気に入りの
ヒールが折れた
運命みたいに
折れてしまった
「大丈夫?」って
その人は聞いた
「家まで
送ってあげようか?」
って
うれしかったの
その優しさが
あなた以来の
その優しさが
だからあたしは
うなずいたの
その男の人に
惹かれていたの…。




