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雪のひとひら


 雪、ちょっとだけど

 積もったね


 こんな都会で

 粉雪が舞うなんて

 久しぶりだよね


 灰色の

 コンクリートだらけの

 街だから

 

 …雪の白さが

 眩しかったよ




 明日には

 溶けちゃうんだって

 思ったら


 …ちょっと寂しい

 気もしたよ…。





 ──あなたは

 ふるさとに居た頃

 雪が大嫌いだったよね




 「寒い寒い」って

 子猫みたいに

 炬燵の下に潜ってた




 北九州の雪は

 冷たくて

 水っぽくて

 あたし達を凍えさせたね



 だからあなたは

 東京に来たとき

 すごく嬉しがったね



 …「雪が降らない!」

 って




 だけど




 雪が降ったら

 あなたが一番

 喜んでたね




 本当は

 ふるさとが

 大好きだったんだね…



 

 東京の雪は

 ひらひらしていて

 やわらかくて


 でも

 涙で熱くなった頬には

 ちょっと冷たい…



 ねえ

 あたためてよ

 あなたの掌で


 ねえ

 溶かしてよ

 あなたの言の葉で



 あたしは

 この街で

 凍えそうだよ…。




 この

 雪のひとひらを



 

 あなたもどこかで

 見ているのかしら


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