表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幸狂曲第5番〈Girasole〉  作者: 目玉木 明助
第3楽章 座敷わらしとお遊戯編
36/94

じらそーれのはしやすめ せこんど!

※頭をからっぽにしたうえでお読みください。


「ふう、仕事もひと段落着きましたし、暇ですねえ」


 とりあえずカルマファミリー秘蔵の風呂に入ってみたはいいものの。


 疲れた体を、湯舟に沈める。湯気にぼんやり手を伸ばす。自分が求めているのは非日常。スリリングでないと意味がない。


はるさんは元気だろうか)


きっと今頃ーーふふ、なんでもありません⭐︎


 それにしても、ゆっくりと湯舟に浸かっているだけでは生産性がないので、聖田きよだはまず、今この瞬間に意味を持たせようと考えた。


「よおし……マジカルはるさん!」



______________________________________


 来客もないので、今日はもう早めに入ってしまおうと風呂に出向いた駿河するがだが、思いもよらない先客に唖然とした。駿河にとっての因縁の宿敵である新人ーー聖田きよだの後ろ姿があったのだ。


 それだけでは飽き足らず、いい年した大人が、マジカルなんたらをやっているではないか。去る日の件といい今日といい、相変わらず何を考えているのかよく分からない男である。


 このまま鉢合わせるのも気まずいので、仕方なく風呂の時間をずらそうとした。が、嫌でも耳に入ってくるゲームの内容に足を止める。



「ーーはるさんと言ったら天使!」


「天使と言ったら綺麗!」


「綺麗と言ったらはるさん!」


はるさんと言ったら……ぼーく♡」


 堂々巡り。ゲーム内容が破綻しているとか、これを全て一人でやっているとかーーそんなことはもはや気にならないくらいに気味が悪い。


 扉の向こうから、くすくすと笑い声が聞こえてくる。まるでこちらにわざと聞かせるように。駿河は正直戦慄した。


(何も見なかったことにしよう……)


心を無にした駿河は、何事もなかったかのように大浴場を後にしたのだった。


______________________________________



「くしゅんっ!」


 山の中。はるは身震いした。経験上、山の天気は急変しやすい。風邪を引かないよう、手を擦り合わせてみた。


(スギ花粉かな……?)


 とにかく今は、自分に出来ることを精一杯やろう。はるの身震いはやがて、武者震いに変わっていった。


久方ぶりの朧さんでした。次回へ続く!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cid=288059" target="_blank">ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ