仮面
あなたがどれだけ辛い思いをしているのか。その笑顔にどれだけの複雑な感情が詰まっているのか。なんとなくではあるけれど察していた。
あなたは護られた。護られて数年が経ち、私と出会った。私はあなたに出会えて良かった。夢か現実かわからないこの世界に、あなたという光が見えた。あなたは私を救った。
あなたが生きていて良かった。本当に良かった。残酷な現実は、未だにあなたを苦しめる。残酷な夢は、未だにあなたに絡みつく。
それでもあなたは「大丈夫、大丈夫」と、説得力の全くない『だいじょうぶ』を繰り返す。大丈夫じゃなければいけないことなんて、本当はひとつだってない。壊れたら壊れたで、また直せば良い。
泣いても良いんだよ。
あなたが付けているその仮面、外したって良いんだよ。
『仮面』