表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
½人魚は¼人狼で王子の恋の罠に捕まりました  作者: まきゆ
邂逅を果たした王子様が甘ったるく溺愛してきますが、私は本物人魚の身代わり婚約者みたいです。それでも貴方に恋をしてしまったのを後悔はしていません
17/59

大雨と発熱と

ベタな展開のためにpart3

雨に打たれて熱と看病はセットだと思います。

後は教えて、レナイン先生!

翌日の朝、アルフラインは食事を摂りに来なかった。


「発熱ですか……」

案の定である。昨晩から様子はおかしかった。


アルフラインの状態をレナインから知らされて、講義が始まる前から既に気も漫ろだ。


「……今日は早めに終わりに致しましょう」

遂にはそう切り出されてしまうが、レナインにも理由があった。


「私も雨の対応に追われて、時間がありません。川の水位を下げ、水路を維持するのに魔導具を多く使うため、指揮を取らないといけません」

昨日からの大雨があがるのは夕方くらいだろう。振り続いた雨はかなりの量になっている。

アルフラインが寝込んでいる今は、レナインが全てを取り仕切る必要があった。


「アルフライン様の側についていて頂けますか。この分だと夜半には魔導鐘の魔力も尽きそうなので、燭台を準備しておいてください」

眼鏡を指で持ち上げる普段通りの仕草にも、何処か余裕がない。


結局、講義を打ち切って、なるべく物音を立てないように王子の寝室へ入る。

水差しと水を張った桶。燭台も用意して、寝台の隣に椅子を引いてきた。


アルフラインの額に絞った布を当てる。

「ルー……シェ…………?」

横になってはいても意識はあるのか、すぐに名を呼ばれた。


「…………無茶をするから、熱が出るんです」

「……うん。反省はしてる……これ……ひんやりして……気持ち……いい」

喋るのは少し辛そうだ。喉も乾いているのだろう。


「はい。お水も飲んで。他に欲しいものはありますか?」

「……何にも……いらない。君が……居てくれる…………?」

「…………熱がさがるまでは此処に」

ルーシェの言葉に安心したのか、アルフラインはしばらく黙って横になっていた。


ゴォーォ。コォーォ――

どこか力なくお昼を告げる鐘の音が鳴った。


「……音が……足りないな。……魔導鐘に魔力を込めないと」

それを聴いて、起き上がろうするのを慌てて留める。


「体調が回復するまでは駄目です!! ……レナイン様が魔導師様を手配されているから大丈夫ですよ」

ゆっくり休んで欲しくて、咄嗟に嘘をついてしまう

王都の方には優秀な魔導師や魔力の強い貴族もいるが、急に手配するのは難しいとレナインは言っていた。


「…………そう」

何とか納得したのか、また身体を横に倒して目を瞑る。

「……大丈夫です。休んでください」

そう囁いて、アルフラインの身体に手を当てていると、疲れもあるのか眠ってしまったようだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ