第四話
「・・・絆と木立って、仲良いんだか悪いんだか、わかんないよね?美海」
「うん。夏来の言うとおりだね」
後ろで夏来と美海が話している。
「ちょっと!! 何それ!? ぜったい仲悪いでしょ?」
私はおもいっきり叫んだ。
「だってさぁ。ケンカするほど仲がいいっていうじゃん? まさしくそれじゃない? 絆と木立」
・・・んなわけないよ。まったく・・・・・。
「あ、それよりさ。今日遊ばない? ヒマだし」
「いいね! 絆も行くでしょ?」
えっ・・・。あ、今日って・・・。
「ごめん。今日エレクトーン教室行かないといけないんだ」
「え〜? 絆、昨日も行ったんじゃないの?」
「そうだよ。付き合い悪いよ?」
私が断ると、夏来と美海が文句を言ってきた。
「ごめん! 発表会近いからさ。曲を決めないといけないんだ。それに・・・・・・」
「「それに?」」
夏来と美海の声がぴったりと合う。
「あのね・・・・・・・・・・」
私は蒼くんのことを全部話した。
「へえ〜。そうなんだ。ねぇ、その子ってかっこいい?」
夏来が目をちょっと輝かせる。
「わかんないよ。まともに顔を合わせたわけじゃないんだから」
「え〜? じゃあ今日行って確かめてきなよ!」
もう、夏来ってば・・・。
「そんなこと言って〜。ほんとに夏来は・・・・・」
でも、蒼くんと友達になれたらいいな。すっごい優しそうだったからなぁ・・・。
キーンコーンカーンコーン
「あっ!! やばっ! 授業はじまっちゃう!! 行こっ!」
「「うん!」」