第三話
次の日。
「おっはよ〜!!」
私は校門のそばにいる、「相田 美海」(あいだ みみ)に声をかけた。美海は私の親友なんだ。
「あっ、やっと来た!! おそいよ、絆!!」
「ごめん、寝坊した・・・」
「まあいいよ。いつものことだからね。もう慣れちゃったよ」
美海があきれ顔で私のことを見ている。
「もー。美海・・・。変なことに慣れないでよ」
「だって、絆、二日に一度は寝坊するじゃん!!」
「そうですねー。すみませんでしたー」
そんなことを話していると、教室についていた。
「あっ、おっはよー、絆と美海!!」
「おはよ、夏来」
夏来は本名「山沢 夏来」(やまさわ なつき)。このクラスの中心的存在。だれにでも優しくて、顔も可愛いから、このクラスの人気者なんだ。
「絆、また寝坊したんでしょ?」
「えっ? なんでわかるの、夏来?」
「ははっ、だって、かなり寝ぐせついてるもん!! いつものことだけど、今日はまた、いちだんとひどい」
・・・うそー!! 最悪〜!!! ・・・直す時間どころか、鏡を見る時間も無かったからなぁ・・・・・・。
「本当、山沢の言うとおりだな。相変わらずひどすぎだろ、藤堂の髪型」
「なによ!! 木立だって、人のこと言えないじゃん!! 何その髪型!! 前髪はねてるし!!」
「なっ・・・。これは寝ぐせじゃねぇ!! ・・・少なくとも、おまえよりかは数倍マシだ!!」
「ふーん、どうだか」
木立、本名「木立 享」(きだち とおる)は、このクラスで一番バカな男子。だから、いつもムカつくことばっかり言ってくる。
「はいはい、二人とも。そろそろ先生来るよ?席に着いたら?」
夏来がケンカを止めてくれる。確かに、もうチャイムは鳴っていた。
このクラスは、本当はみんなすっごく仲のいいクラスで、すっごく楽しいクラスなんだ!!
まあ、私と木立はケンカばっかだけど。