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2-4 魔法と原理

前回のあらすじ

魔法は何でもあり!

「あ、あらゆる魔法を!?」




 やや語弊があった。キュブが思うにあらゆる魔法を使える、というわけではない。




「あらゆる魔法、だとさすがに言い過ぎか。正確には、ゲームや漫画なんかで見たことある魔法を全て使える・・・・・・はずだ。」


「いやいやいや、それでも大概何でもありじゃないですか。・・・本当なんですか?」





「その可能性が高いよ。オリティも空に向けて雷の魔法を唱えてみたら?」




 オリティは半信半疑といった感じだった。「そんな馬鹿な・・・」などと小声でブツブツ聞こえたが、モノは試しといった感じに空に手を向けて雷の魔法を唱えた。




【サンダー・ボルト】




 オリティが魔法を唱えた直後、稲妻が空に向けて発射された。火の魔法の時みたく魔法名が異なっていたが、効果は少し異なっていた。発射された稲妻は似たようなものだったが、数が違っていた。キュブのは1本、オリティのは3本。




「本当に使えた!?」


「おぉ、すげぇ迫力・・・。雷の魔法は、魔法名も効果も違ったね。」



「・・・。」



「・・・オリティ?」





「・・・あ、ごめんなさい。本当に使えたのでビックリしてしまって・・・。えっと、何ですか?」


「あぁ、オリティがモチーフ(?)にした雷の魔法は稲妻3本?」




「あ、はい。そういえばキュブさんのは1本。つまり、キュブさんの言ったとおり・・・・・・、ということはもしかして・・・。」






 ブツブツ呟いていたオリティだったが、再び空を見上げ、急にポーズをとって指パッチンをした。すると、何も魔法は唱えていなかったのだが、再び稲妻が空に向けて打ち出された。




「うわぁ、無詠唱もできた!!」



 オリティは喜び飛び跳ねている。



(おぉ、ビックリした。そういうこともできるのか。)



 キュブは無詠唱を思いついていなかった。

それにしても、指パッチンは必要だったのだろうか。





「すごいすごい! キュブさんよく気がつきましたね!」


「いや、無詠唱ができることは知らなかったよ。ついでに、魔法の仕組みに気づけたのもオリティのおかげだよ。」


「え、どういうことですか?」





 きっかけは、どちらも似たような大きさの火の玉を発射できる魔法なのに、火の魔法名がキュブとオリティで異なっていたことだった。


「同じような効果の魔法名が異なる、ってところが不思議だったんだ。威力や形状が違ったりしない限り、魔法名は同じというイメージがあったから。」




 似たような効果を持つ火の魔法名がなぜ異なるのか。そこにキュブが疑問を持った時、自身が火の魔法を初めて使った時のことを思い出した。

 あの時はニールから【ファイア】という魔法を教えて貰ったわけではなかった。何の気なしに【ファイア】と言ったら火の魔法が使えたのだ。それ故に思ったのだ。




「もしかしたら既に火の魔法をは使えたのではないか、って。」


「・・・えっと、どういうことですか?」


「要するに、自分たちはあらゆる魔法が既に使える状態になっている、ってことかな。ただ、自由自在に使えるようになるにはいくつか条件が必要で・・・。」




 その条件の1つが、効果を明確に想定できる魔法を詠唱する、というものだ。

仮にそうであるならば、同じような火の玉を生み出す魔法なのに、魔法名が異なっていた説明がつく。想定している結果さえ同じであれば、魔法名は同じである必要はないのだから。



 地球では、空想上の魔法は効果を明確に想定できる形で表現されている。それも、漫画、アニメ、ゲームと色々な所で。しかも、ご丁寧に絵や映像付きで。そして、参照するモノが異なれば効果は似ていても魔法名が異なることは珍しいことではない。


 火の魔法名を挙げよ、と言われたら、ファイア、フレイム、ブレイズなどいくつか思い当たる。メガやギガといった言葉を前に付けたり、ボール、ソード、ランスといった言葉を後ろに付けたものを加えて良いのなら種類はさらに増える。




 とはいえ、最初は小さな可能性に過ぎなかった。それが変わったのは、回復の魔法を使った時だった。





「実はオリティに回復の魔法を唱えたとき、【ヒール】を回復の魔法として使える確信はなかったんだ。」



 結果的にキュブは回復の魔法が使うことができた。それはキュブの仮説の後押しとなった。




「・・・むぅ。」


「どうしたのオリティ?」



「まぁ、別に良いですけど。・・・私って実験に利用されてないですか、それ?」


「あ、ごめんごめん。返す言葉もない。まぁ、仮に失敗しても恥ずかしい思いをするだけで、オリティに実害はないかと思って。」



「ま、結果オーライですし大丈夫です。次はちゃんと説明してくださいね。」


「承り申した。」



「ふふふ、話を戻しましょうか。回復の魔法が実際に使えたから確信したんですか?」


「そうなんだろうなぁ、くらいだったかな。」




 決定的だったのはオリティから【ファイヤーボール】を使えるようになった時の話を聞いた時だった。



「オリティも火の魔法を使えたけど、ニールから魔法名は教わっていなかった。『火の魔法と思う魔法を唱えるであります』と言われただけだった。つまり、ニールは火の魔法を知らなかった。正確には、オリティ自身が火の魔法として想定する効果や魔法名が分からなかったんだと思う。」




 そして、雷の魔法もいきなり使うことができた。キュブの仮説が当たっているかは分からないが、今のところ仮説通りの結果しかなかった。





「・・・・・・唐突ですけど、私、キュブさんに会えて良かったです。」


「え?」




 オリティは顔をブンブン振った。



「あ、そうではなくて・・・。ほら、私って鈍感だからそんなことには絶対気づかなかったというか。キュブさんに会えたおかげで知ることができたというか。」


「あぁなるほど。でも、こっちも1人だと気づけなかったと思う。さて、以上で魔法の仮説は終わりかな。それで、やっと話が戻るんだけど、飛行魔法って何か思い当たる?」





 ああなるほど、という顔をオリティがしていた。

 そう、キュブは飛行魔法で人の住む場所まで飛んでいこうと考えたのだ。




「うーん・・・。たぶん大丈夫です。キュブさんは思い当たりますか?」


「大丈夫と思うけど、ちゃんと使えるか確認したいよね。」




キュブは自身が効果を認識している空を飛ぶ魔法を唱えた。


【フライ】


 キュブは空を飛んだ。少し試してみたが、自在にに高さやスピード、方向もコントロールできた。



(・・・これはかなり便利な魔法だな。)



 と、キュブが思っていると、下の方で指パッチンの音が聞こえ、オリティも近くに飛んできた。魔法名は聞こえなかったので、また無詠唱だったのだろう。どうやら気に入ったようだ。





「飛べました!」


 オリティはその場でクルンと一回転した。


(・・・見えなかった。)




「どうしたんですか?」


「ナンデモナイヨ。確認はできたし、一度地面に降りようか。」




 二人は地上に戻った。飛行手段は確保できた。




「さて、これで移動手段はできたね。不安としては、あるのか分からないけど魔力切れかな。魔力無限大ってことはないような気がするし。」


「体力と同じで、減ったら分かるような気もしますけど、どうなんでしょうね?」


「言われてみれば。でも、念のために地上近くをゆっくり飛んでいこうか。」




【【フライ】】




 どうやら、飛行魔法はオリティも同じ魔法名だったようだ。


 二人は飛行魔法を唱えて川に沿って飛び始めた。しばらく飛び続けると、二人の前方に町が見えてきた。

 


 二人は町の門の所まで飛んでいき門の前で着地した。門には門番のような人が立っていた。自分たちの方を見ていたのだが、口をあんぐりと開け呆気にとられているように見えた。




「スーア初住人、だね。」


「ええ、でもその門番さん(?)の様子が・・・」




 門番さんはずっと唖然とした様子でこちらを見続けていたが、突然




「よ、ようこそおいで下さいましただ!!!」


 と、見事なフライング土下座をかまされた。

こうして、2人にとっての初スーア住人は強く印象に残ることになった。


お読みいただきありがとうございます。

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