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王女は死体愛好家? 共通①
今日は私の誕生日パーティー。
「…みんな大嫌い」
損得勘定で私に偽りの笑顔を見せる貴族は嫌い。
「喋るのも動くのも嫌」
誰も彼も私でさえ、物言わぬ人形であってさえすれば、何者も私を評価しない。
ずっと目を閉じて、口を閉じて、私を見ず語ることなく、ただ黙ってそこにいればいい。
パーティーを抜けた私は、大好きな黒馬に乗る。
そのまま隣の国へ向かった。
「今日もいい天気だなー」
空を見て言うならまだわかるのに、井戸水を汲み上げながらそれを言う。
間抜けそうな金髪の少年がいた。
三つ程度下くらいの彼が着ている服はボロボロなのにニコニコと無邪気に笑い、とても幸せそうだ。
ああ、羨ましい。
虚しさとは遠い心が私はなによりほしい。