暇つぶし―またはとある憂鬱
初投稿です。
駄文なので、時間がもったいないことになるかも知れないです…。
ミチにとって散歩は一番いい暇つぶしだった。
一人で、時には二人か三人で、当てもなくぶらぶらと道を行く。
散歩という暇つぶしために暇をつくるほど、ミチは散歩が好きだった。
いつものように、散歩に行く。
今日は、ひとりで。
どこに行こうか。
家のそばの小道に自然と足が進む。
名も知らない小さな花が、薄紫の花弁を揺らしていた。
穏やかな風が吹く。
散歩にはぴったりの日。
しばらく行くと、川があった。
小学生くらいの子ども達が水切りをしている。
ミチは、土手の上の柵に寄りかかって、ぼんやりとそれを見ていた。
自分はなぜここに来たのだろう……?
自分って、何だったっけ……?
気付くと、日はかなり傾いていた。
いつの間にか、かなりの時間が経っていた。
子ども達はいない。
ミチは土手の急な階段を降りる。
そうして、川を覗きこむ。
コポゴポといいながら渦巻き、泡立つ、水。
水とは、不思議なものだ。
ひとつの酸素原子とふたつの水素原子から成る、身近で単純な物質。
なのに、どうしてこんなに透明で、穏やかなんだろう。
否、穏やかではない。
人の命を奪うこともあるのに。
自分はそんなことも忘れていた。
なんだか可笑しくなって、ミチはクスリと笑った。
平べったいの石を拾う。
さっきの子ども達のように投げてみる。
石は一度も飛ばずに、ぼしゃりと沈んだ。
飛ばなかった石はどうなるんだろう。
川底に固定されたように定まって。
ぷつり、ぷつり、と泡を出し続けるのだろうか。
泡を出しきれば、石の生命は終わってしまう。
それは空しい終止符じゃなくて。
だけど、寂しさを伴うんだ。
今度は握り拳くらいの石を拾う。
握ると石独特の冷ややかさと、ざらつきが伝わってきた。
高い高いをするように何度か手の上で弄び、放物線を描くようにほうる。
さっきよりも高く遠くへ飛んだ石は、ポカンと音をたてて水面に消えた。
波紋は、ミチの所まで届かなかった。
川の流れにかき消されるさざ波を見て、ミチは憂鬱になった。
君も結局押され流され、消えちまうのかい……?
落ちていく夕陽に照らされたその顔は、暗いままだった。
また明るくなるだろうか。
希望を持てるだろうか。
ミチには解らなかった。
改めて読み返してみると、やっぱり駄文ですね…。
でも、最後まで読んでくれた方、ありがとうございました!