第五章 紅き闇に堕ちる刻
闇は深く、血は赤く濃く染まっていった。
水城蓮は、もうかつての自分ではなかった。
彼の身体はこの異世界の快楽と痛みに慣れ、心は愛憎と狂気に染まった。
レオナルト、エリーゼ、ルカ。
彼らと織り成す歪んだ愛の鎖は、切れることなく蓮を縛り続ける。
「お前は……我がもの」
レオナルトの囁きは甘くも冷たい。
「だが、俺もお前たちのものだ」
蓮の瞳には深紅の火が灯り、燃え上がるように熱を帯びていた。
その夜、三人の腕の中で、蓮は己の変貌を噛み締めた。
痛みも悦びも越えたその先で、彼は自分の本質が“紅き闇”そのものだと悟ったのだ。
冷たい鞭の跡は快楽の証。
流れ出る血は愛の滴。
快楽に溺れ狂気に染まる心は、究極の自由の形。
「もう逃げられない。俺はこの闇に堕ちる」
蓮は唇を噛み締めながら、そう宣言した。
そして、三人はその言葉を祝福するかのように、深く絡み合い、血と肉の饗宴は頂点へと達した。
彼らの身体は鮮血に濡れ、欲望に狂い、互いを貪り合った。
それはもはや生存のための行為ではなく、存在そのものの証明であり、世界への挑戦だった。
「これが……俺たちの生きる意味か」
蓮は微笑み、濡れた髪を掻き上げた。
「紅き闇に堕ちた者たちの、新たな刻が始まる」
その瞬間、城館を取り巻く闇が渦を巻き、天井の燭火が狂ったように揺れた。
まるで世界そのものが変革を迎える合図のように。
闇と血の狭間で、蓮は叫んだ。
「さあ、来い! この狂気の世界よ! 俺たちの欲望の火で燃え尽きろ!」
そして、彼は深紅の闇の中へと飛び込んだ。
新たな物語は、今、ここに刻まれた。
——紅き闇に堕ちる刻。