あだ名の歴史 その2
おはようございます。
前話において「ヒゲ女」から「大陸移動説」という、大変に残念なあだ名をつけられたとはでございます。
今回のお話は、あだ名の歴史その2となります。
皆様、前回のお話はお楽しみいただけましたでしょうか?
え? そんなあだ名がつけられるはずがない?
そんなことはありません、世界は広いのです。
なにせ私だって、こんなあだ名で呼ばれる人生になるなんて思っていませんでしたからね。
……泣いてないですよ、えぇ。
そんなわけで二つ目までをお披露目してまいりましたが、いよいよラストを飾る時間となりました。
では三つ目とまいりましょう。
と、その前に。
今回はもう少し、私について語ってから始めていこうかと思います。
私こと、『とは』は非常にビビりでございます。
結構な人が大好きな怖い話やホラー映画、大変に苦手なのですよね。
だから怖い話を読んだり見たりするのは、何があっても昼!
遅くとも夕方以降には絶対に見ないと思っている、超怖がり人間でございます。
さて、そんな私のもとにある日曜の夕方、一通のグループラインがやってきます。
送り主はイチカ。
とある展示会にあった日本人形(撮影可のものです)が怖かった。
せっかくから送るという文面と共に送られていたその写真は、明らかに『じゃぱにーず・やばいどーる感』を醸し出したものでした。
イチカさん。
あなたは先輩なので、言葉遣いには気をつけるつもりですが。
貴様は夕方になんてものを送ってきやがったのですか。
……せっかくの意味が違うよ!
っていうかせっかくの無駄遣いだよ!
と、怒りの反論をラインにたたきつけるも、その際にさらに画面に映ったその人形を見る羽目になるという愚かサイクルをくるくるとまわしながら、日曜の夜は更けていきます。
いざ布団に入り、淡いオレンジの光を放つ常夜灯と天井を眺めながら「出ませんように、どうか人形が夢に出てきませんように」と願い私は眠りにつきました。
……はい、でましたどーん!
がっつり『じゃぱにーずやば(以下略)』が私の夢にこんばんはしてきました。
しかも眠っている私の胸の上に乗っているという『おん・ざ・じゃぱにー(やはり以下略)』でのご登場でしたね。
声も出せぬまま「%&〇☆!!」と意味不明の言葉を脳内に浮かべながら私は布団をはぎ取ります。
どういうわけか、夢のはずなのにしっかりと胸の上に乗った感触が残っているではないですか!
払い去るかのように、私は自分の胸をバシバシと叩きながら上半身を起こします。
荒い息をつき、改めて夢であったこと。
そして叩いた胸に痛みがあることに、現実であることを知りホッとしながら再び私は眠りました。
翌日の月曜の昼休み。
昼食を食べながら、私はイチカにくってかかります
「昨日の写真のせいで私、くっそ怖い夢を見たのですけど」
「えー、だって本当にやばいやつは写真撮影不可だから送ってないよ。どんなやつかって言うとね~」
「やめて。無駄に想像力の翼が羽ばたいちゃうから、……もうやめて」
話を変えようと私は、いかに恐ろしい夢を見たのかを身振り手振りで彼女たちに伝えていきます。
途中で宅急便の人がきたので対応に私が出て、戻ってきたところでイチカとフユミが妙に優しい笑みをたたえています。
「とはちゃん、怖がらせて悪かったなって私たち思ったの。それでね、せめてその心が和らぐようにさっきのとはちゃんの話と動きで考えたものがあるんだけど!」
はい、私の三つ目のあだ名をご紹介します。
『胸毛をむしるゴリラ』です。
これにどの要素が加われば、和むという思いを抱くことが出来るのでしょうか?
でもやっぱりそのセンスは嫌いじゃないと思ってしまったのも事実。
さてさて、皆さまにはどんなあだ名がありますか?
よかったらとはに教えてくださいね。