私が菅さんを応援する理由
※実在人物について書いているため、感想欄は閉じております。また、期間限定で下げる可能性もございます。ご了承の上、ご覧ください。
最初に。
私は、特別政治に明るいわけではありません。
時々ニュースを見、?に思ったことは調べてみる、程度。
菅さんが総裁選に出馬しないと表明し、退陣の意向を示されました。無責任だと批判する野党や、これまでのニュースでの過剰な叩きを見ていて、思うことがあり、執筆ページを開きました。
私は菅さんを応援しています。
菅さんがしたことで、私が知っていることを書きます。
1、携帯料金の値下げ
2、不妊治療の助成金の所得制限撤廃、保険適用を進めた
3、新型コロナウィルスのワクチン確保、接種推進
4、デジタル庁創設に踏み出した
5、子ども庁創設に踏み出した
6、福島原発処理水の海洋放出決定
7、台湾にワクチンを送った
8、慰安婦問題で「従軍慰安婦」でなく、「慰安婦」という用語を用いるのが適切との答弁書を決定
例えば「デジタル庁が本当に必要か?」等の賛否両論はあると思います。
ですが私は第一に、「公約やそれに準じるように掲げたものを実行した」「その数の多さ」が、すごいと思いました。
―――公約には良いことを並べながら、実行できない政治家がどれだけ多いでしょうか。
下記に、私が「これは良かった」と判断したものの意見を書いていきます。
1、携帯料金の値下げ
2、不妊治療の助成金の所得制限撤廃、保険適用を進めた
1も2も、庶民が助かる政策です。お金に不自由しない人には関係ない政策です(注1)
携帯会社の上の方々、自由診療で言い値で儲けている医院からすれば目障りな内容になります。監視の目が入るし規定が設けられてしまえば言い値で儲けることはできません(勿論、真摯に頑張ってくださっている医院もありますが、自由診療なので儲かるからと医院の数が乱立増加していたことも否めません。どの医院が良いのか医者が言っていることが正しいのか、値段に見合っているのか患者が判断するのは非常に難しい分野です)。利益を得ている上の方々は、お金や力を持っています。反発は必至で、実際にかなりの反発が報じられていました。でも、菅さんは踏み切ってくれました。
3、新型コロナウィルスのワクチン確保、接種推進
菅さんは、ワクチンが打開策になると信じ、それを実行した(注2)
何十年先の後遺症等は分かりません。ただ、現在、ワクチン接種をした高齢者のコロナ感染者数と重症化数が目に見えて減ったのは事実です。海外でも有効性が示され、ワクチンが打開策になるという中、取り合いの「有効性が高いと言われるファイザーやモデルナ」のワクチンを国民数分確保してきた。1日100万回、高齢者の7月末までの接種目標を掲げ、「遅れている」と認識したらすぐ号令をかけスピード化に取り組み(接種の全国調査や打ち手の報酬引き上げ等)、その結果ワクチンの量が一時不足という事態を招いたくらいでした。
感染者数が減り、重症化が減れば、医療への負担も減る、という筋道は間違ってはいないと思います。
7、台湾にワクチンを送った
まだ日本でアストラゼネカをワクチンとして使用できない判断だった頃。台湾にワクチンを送りました。台湾は中国からワクチンを打診されていましたが、そのワクチンの効果もさることながら引き換えに何を要求されるか…他国から見ても苦しい立場だったことは見て取れます。
台湾にワクチンを送れば、中国から日本への印象はどうなるか。でも、台湾は日本の友好国です。台湾には色々と助けられてきました。
私は、台湾にワクチンを送ったことは素晴らしいと思います。人道的に。
8、慰安婦問題に関して「従軍慰安婦」との表現は適切でなく、単に「慰安婦」という用語を用いるのが適切だとする答弁書を決定
平成5年の河野官房長官談話で「従軍慰安婦」という表現が用いられましたが、その後、朝日新聞が虚偽の強制連行証言に基づく報道を取り消した経緯がありました。虚偽と判明したのに、表現はそのまま残っていた。それを正したいとする表明です。
台湾のワクチンの件、韓国とのこの一件、どちらも私は筋が通っていると思います。
虚偽は正されるべきだし、外交関係で力が強い国とのしがらみを避けるわけにはいかないけれど、こと命に係わることでは手を差し伸べたその姿勢を、私は好ましいと思います。
それから、批判の対象として取り上げられやすい「GOTOキャンペーン」「オリンピック」「パラリンピック」について、私の推測と感想を書きます。
その前に。
菅さんの生い立ちについてご存知でしょうか。
菅さんは、農家の長男で、段ボール工場に勤務退職後、警備員やカレー屋などでアルバイトをしながら試験勉強をし大学進学。仕送りはありながらも学費も自分で稼いで進学、会社勤務を経て秘書→議員になりました。奥様も特に実家の力が強い方ではありません。
―――今の政治家に、世襲でなくこんな体験をしてきた政治家がどれだけいるでしょうか。
庶民と同じ経験をしてきた、お金の苦労を「体感として感じたことがある」人がどれだけいるでしょうか。
そして、そのために派閥を持たない、強固な後ろ盾がない。無派閥、非世襲とは、どういうことでしょうか。
少しでいい、想像してほしいと思います。
これまでも首相という立場の人は叩かれてきました。
しかし、菅さんの時はあまりに過剰ではというぐらいの叩かれ方でした。
マスコミは、執拗に叩きました。ワイドショーのコメンテーターも好き放題言っていました。
自民党内でも、割れていたといいます。自分の派閥がないので、他の派閥の意見を聞き調整しなければ号令をかけても実行に協力が得られない。そして政策を実行して、反発があれば、普通なら後ろ盾の派閥が助けてくれるでしょうが、それもない。
後ろ盾がないということは、世襲でないということは、かなりのハンデだと思いました。
私も、GOTOは、この時期に?と思ったし、オリンピック、パラリンピックも海外の方が入ってくる中で、感染者が増えるだろうと医療逼迫も気になり、開催には疑問を覚えました。
ただ。
結局開催するだろうと思っていました。1や2どころじゃない、経済への悪影響を恐れる支持団体・既得権益のある方々と繋がる政治家の圧力、オリンピック・パラリンピックでは海外からの圧力に、菅さん1人では抗えないだろうと思いました。それに抗って止めて、もしも海外がそれにまつわる駆け引きをしてきたとしたら、そんな外交問題をどうやって解決するのか?経済的損失は一般人が税金で被ることにならないのか?オリンピック関係者の失業はどれくらいのダメージなのか?それらが素人の私には分からず、だからこそ、絶対開催しなければよかったとも言い切れませんでした。
私は今の政党の誰がなっても、いや野党の誰でもこの立場ならオリンピック等を「開催」しただろうと思います。というか、菅さんがもし開催しないと決めたとして、周りの政治家は誰1人支持せず協力しないのでは?と思いました。開催を批判している政治家は自分が決める立場でないための口だけだと、「私は」感じていました。引き継いだ形の―一応友好関係にあるはずだった―前の安倍内閣の路線も「オリンピック開催」でしたから、それに抗えば他の政策も含めこちらも協力は得られないのでは、と思いました。(今回、総裁選で出馬しても安倍さんの派閥の支持は得られそうにないとの記事を読みました。つまりは、派閥でないので、良い時だけ友好関係で、苦境では助けはしないのだと私は取りました。それ位のもろい関係なのだという推測を強めました)
菅さんには、オリンピックの件は1人で意見を通すのは難しいのでは、と思いました。
ということは逆に言えば、本当にオリンピック開催をさせたくなければ、コロナのもっと有効な対策があれば、他の政治家が菅さんに具体策を進言したり止めたりする余地があった。なのに、誰もそれをしなかった。それが、他の誰が首相であっても開催しないという決断はできなかったのだろうという推測を強くしました。
そしてオリンピックを止められないからこそ、流入を防げないなら、感染を防ぎ重症化をおさえるために、ワクチンについてはあれだけ熱心に取り組まれたのではないか、と思います。
経済政策とそれに絡むコロナ対策については、私は満足・納得しているわけではありません。
けれど、その原因は「菅さん」だけでなく、他により大きいと思っています。
また、それに加えて「一般人」の責任も大きいと思っています。
私の周りは二分されています。ワクチン接種もし、一切外食もせず帰省もせず自粛を頑張っている人と。「オリンピックが」「首相が悪い」と言いながら、マスクもおざなりで遊び歩き、自粛してると言いつつ、スーパーで多人数でしゃべりながら歩き、密着している人と。
私が菅さんの立場だったら。
150日も休まず、働いてきた。公約、言ったことを実行してきた。既得権益を持つ人達の反発と戦いながら携帯料金値下げ、不妊治療の保険適用など、庶民のための政策もやってきた。コロナ対策は、厳しいと言われるワクチン獲得も、良いと言われるファイザー等を確保してきた。接種が遅いというのもスピードアップを働き掛けてきた。
けれど、一般人の半数は携帯料金も保険適用も評価しない。外交でパフォーマンスが乏しいと、ぽつんと1人離れているとあざ笑う。原稿をそのまま読んでいる、目に生気がないと言いたい放題で、政府のコロナ対策がなってないと言いながら―政府が当てにならないなら余計に自衛しなければならないところを―半数は対策おざなりに外出している。マスコミの言う事をうのみにして言いたい放題批判している。
―――ふざけるな!
私なら、そう思い、もう国民に見切りをつけて、働きたくないと思ったかもしれません。
きちんと対策して外出して、よく考えた上で言葉を口にしている人もいるけれど、そうでない人も多いし、そういう人に限って、声は大き過ぎる。
150日も連日、誰が働ける?その中で、言葉に間違いがないように原稿を読んで何が悪いことがある?
生気がない、パフォーマンスがという人に言いたい。
ナチスのヒトラーもとてもパフォーマンスが上手かった。
銀河英雄伝説のトリューニヒトもとても弁舌に長けていた(注3)
なろうで人気のざまぁ&婚約破棄物、愛らしい妹の涙に表情に乏しい姉が孤立させられる話のなんと多いことか。
パフォーマンスがよければ何でもいいのか?そうではないと、知っていたはずではないのか?
自分達が、それ以外のところを見たり考えることを放棄していたとは思わないか?
外交が得意でない中で、ワクチンを確保してきた、それは国民のためではないのか?
結果が全てというなら、良かった政策すらなぜ評価できないのか?
経済がどうしても止められない。時短や酒の制限等している中、これ以上できないとすれば、できることがあったのは店側ではなく一般人のコロナ対策の徹底だ。
マスクの徹底も、間隔開けることも、言っても守らない人が多数、今の法律では取り締まれない。水際対策もなぜ強化できないか調べた。調べた結果分かったのは、今の法律では14日間の拘束の強制力はないということ。自主に任せるしかない。
けれどその自主を悪いように使い隔離ルールを守らない人も多く、自粛をきちんとしている人まで被害を被る中では、きちんとしている人を守るには、私だってワクチンの方が確実有効だと思いました。
首相1人で全てを動かせるわけじゃない。自分達が人間関係を忖度するように、政府内でも首相が動こうとしても阻む人達も協力しない人もいると思われる。例えば外交が得意でないなら、それを誰かがサポートすれば良かった話だ。政治家だけじゃなく、ニュースではコメントする人のフォローがあれば印象も変わった筈だ。でもそれをする人が見えてこない。今の政府で、世間で、菅さんに協力し支えている人―少なくとも悪いフィルターをかけないでフラットな態度の人―があまりに少ない、それに疑問はないのか?
―――何もかもを、菅さんのせいにし過ぎではないか?
そして最後には、一年で任期満了。退陣。
「国民からの支持率が低いから、総裁選を戦えない。総裁選で党が勝てなければ、自分の椅子が守られないかもしれないから、党内の人達は菅さんを応援しない」というニュースのコメントを見て、それが事実ならば、あんまりではないか、と思いました。
これだけ後ろ盾がない中で、反発を受けながらも公約を実行していくのは、どれだけ難しかったか、と思います。これだけ公約を実行しても国民がそれを見ず好き放題言うならば、公約など実行せず、既得権益を持つ方達との関係を維持していた方が楽だし、その方が他の政治家達との関係もよく、ここまで周りから孤立することもなかったのではないかな、とも。
結果が全てだ、どう思ってたにしろ、オリンピックを開催したのが悪い。止める力がなかったなら、力がないのが悪い。無観客なんかで騙されない。という意見もあると思います。
でも、もしも、国民が良かった政策だけでも認めてそれが支持率となっていれば、それを武器に菅さんはもう少し戦えたのではないか。そして、続けられれば、少しずつ大きな圧力とも戦いながら改革をもっと進められる可能性もあったのでは、と思うとやるせなくなります。
―――本音を言えば、コロナこのことがない時期に、首相になっていただきたかった。いや、コロナがなければ、きっと首相の座には就かなかった方だろうと思いますが。
マスコミにのせられて、コロナの不満を全部向けて、叩いて、国民自身が、自分達のための地道な政策をしてくれていた首相を、自分達と同じ庶民の生活を経験したことがある首相を、落としてしまった。――そんな気が、しました。
私は政治にはなんの権限もないけれど、そう感じたことを覚えておこうと思いました。
私は、菅さんを応援しています。
公約など、掲げたことを幾つも実行してくれたから。
実行してくれたことは、一般人、庶民のためになるものだったから。
(そのために既得権益を持つ方達とも戦ってくれたから)
コロナの打開策になるとしたワクチン確保、スピードアップを実行してくれたから。
外交でも毅然とした姿勢を見せてくれたから。
お金を稼ぐことや働くことの大変さを知っている人だから。
150日休まず働き、叩かれても逃げず、パフォーマンスでなく行動で姿勢を示してくれた人だから。
コロナと経済の在り方、GOTOやオリンピックに関しては思うところがあるけれど、他の人がこれ以上のことを出来たとは思えなく、また責任は他と一部の一般人自身にもあると思うから。
前首相が急に辞めての引継ぎで、本当に大変だったと思いますが、ありがとうございました。
残りの日々も、首相でなくなっても、今の姿勢のままで、もし政治に携わられるなら、応援しています(そのため、この文でも首相や総理ではなく、「菅さん」と書かせていただきました)
一方で、あまりに過酷な日々だったと思うので、ご無理をなさいませんように、とも願っています。
(注1)2について少し補足(身近な経験者を元に)
不妊治療は、高齢だけでなく20代からでも、またニュースでは取り上げられないですが男性側が原因での不妊も多いです(男性側が原因でも基本身体的に女性に負担がかかります)。不妊治療(体外授精以上)は、女性は毎日のように自己注射し薬をのみ、太く長い針を卵巣に刺して採卵する痛い思いや体調不良を抱え、移植し、それでもその1回ですぐ授かるわけではない。
ニュースでは治療費30万等と言われていますが、それは最低ラインの1回で、1回100万近く、子供を授かるまで200万位平均かかることが多いと言われています。それだけお金がかかるから、仕事を続けたい、でも治療で医院に行く日は頻繁に休まなければならない、体調もずっと辛い。
そんな中で、助成金の拡充や保険適用はすごく望まれていました。禁煙外来は保険適用なのに、なぜ不妊治療は自由診療(病院の言い値)なのか、そしてガイドラインもないので、診療内容にもばらつきがあることに疑問が持たれていました。
(注2)ワクチンを接種しない人のことで少し補足(身内を元に)
私の身内は違う予防接種でアナフィラキシーショックを起こしたことがあり、コロナのワクチン接種をするのは難しい状況でした。なので、職域接種等で打つよう圧力がかかる、接種しない人への差別などについては思うことはあります。
ですが、それとこれとは「別問題」です。差別するような態度を取っているのは「一般人の一部、会社の上層部など」で、本来はその人の在り方が問題です。
逆に、ではワクチンを打たない・打てない人に配慮してワクチン接種の政策をすすめなかったとしたら。
―――今の感染状況はどうなっていたか、と思います。ワクチンを打てる人が打つことは、打てない人を守ることにも繋がります。
(注3)銀河英雄伝説について補足
著者、田中芳樹のSF小説。ヨブ・トリューニヒトは腐敗した民主主義の象徴、弁舌に長ける野心家として描かれています。