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相棒にも歴史がある

作者: 馬波良 匠狼

 総創作時間5時間。

 内容は薄っぺらくなってしまったかもですが、今のこの相棒には感謝しております。

 なので、今回は自分の一番の相棒「ノートパソコン」にフォーカスしていきたいと思います。

 私には大事にしているものがある。

 執筆活動に必要不可欠なもの「ノートパソコン」だ。

 その出会いは大学へ入学する前の3月下旬に遡る。

 引っ越しの準備を進めていた中、授業で使うためのノートパソコンを買うかどうかの話に。

 家にノートパソコンは一台あったし、最初はそれでいいんじゃないかとも思った。

 しかし父が、大学の生協で買った方が色々と安くつくし、4年間の補償付きだったため、私は初めて自分のパソコンというものを持つこととなった。

 来たる3月下旬。

 引っ越しの荷物を運び終え、一息ついてから生協で買ったものを取りに行く。その時に初めて姿を目にした。

 赤のメタリックカラーのカバーに黒のオシャレなボディ、本体自体は大きくないが画面は広く見やすい仕様。

 持っていたノートパソコンと勝手が違ったため、キーボードの打鍵は少し戸惑ったが、初めて手にしたパソコンに私は子供のように喜んだ。

 それが彼との出会いだった。



 しかし、私の彼に対する扱い方は粗末だ。

 まず、置く時にガタっと音が鳴るぐらいに置くことが多い。

 次にキーボードから勢いよく引きはがすようにして開いてばかり。

 そして、リュックに入れている時であるが、たまに持っていることを忘れて、落とすようにして置いていることもあった。

 しかもそのリュックの中は結構物でパンパンにしてることも多かったから、彼の負荷は相当なものだったと思う。

 こうなってくるとおのずと、彼の身体はボロボロになって来る。

 メタリックなボディには痛々しい傷が1本大きく入り、連結部分のカバーは外れ中身が見える上に外れる。画面上部も外れやすくなっているうえに、欠けてる部分も見受けられる状態だ。

 電源も3回に1回ほどはつかないことも多く、別要因なのだろうがこちらもあまり状態は良くない。

 この状況で動いているのが奇跡といっても良い状態だった。



 だが、長くは続かなかった……。

 大学3年の初秋ぐらいだっただろうか。遂には画面にも破壊の波が襲い始めてきた。

 流石にこれ以上はこちらも授業、それからこの頃から本格化し始めた執筆に影響が出てしまうと思い、私は意を決して彼を修理に出すことに。

 だが……。

「もう、これは替えないといけませんね……」

 衝撃の一言だった。

 いや、当然と言えば当然のことだ。

 彼とは2年半で別れなければいけないのかと、私は落胆してしまう。

 とりあえず、容量が多めのHDDに大方のデータを移し、彼を生協に託した。

 恐らく彼はもう戻ってこない。悲しいがこれが彼の定めであり、私の贖罪だ。もう少し付き合いたかったが、腹をくくるしかない。

 そう思っていながら待つこと1週間、生協より連絡があった。


「パソコンが直りましたよ」


 ん? 直った??

 替えると思っていたものが、直ったとは一体どういうことなのだろうか?

 不思議に思いつつ取りに行く。

「画面とバッテリーと中身を少し変えました。パスワードも変わっていないので、このままお渡ししますね」

 そうして帰って来たパソコンは画面がつややかで、キーボードを繋ぐ連結部分もはまっており、初めてであった頃の真新しさを引き連れて、私の元へと戻って来た。

 本当に嬉しかったことを覚えている。

(今後は、本当に大事にしないとな……)

 今までの経緯を反省し、これからは生き物と接するように、優しく丁寧に扱っていかねばと、心に固く誓った。



 初めて出会ってから紆余曲折を経て、現在8年目。少しの傷はあるが、元気に稼働してくれている。

 キーボードの反応は悪く、たまにフリーズすることもあるが、まだ替えるには時間がかかりそうだ。

 彼の中には、私の作品、勉強、仕事、それから性癖と、これまでの軌跡を残してくれている。

 まだまだ増える私の財産を、彼は全て受け止めて、たまに別の場所へと移す。

 彼との生活がいつまで続くか分からないが、私は今日も一番の″相棒″として、またこうして自分の脳内妄想を書き綴っていくことだろう。

 これからもよろしく、相棒!

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