95/375
四層①火の工房
転移した先には煤けた魔法陣が幾重にも見え、いくつものファイアーボールが地面から発生していた。
辺りを見回すと少し離れたところにと胸に魔法陣を書かれたゴーレムが闊歩しているのも確認できる。
「ここは火魔法特化の魔法使いの工房か何かか?」
「一部だけ切りとればそう見えないことも在りませんが、ゴーレムは錬金術のものなので魔法使いだけの工房とは限りません」
ファイルは俺の言葉に訂正を入れると率先して前に前進し始めた。
はっきりいて魔法や錬金術については初級以外は門外漢と言っても過言ではないので奴に任せることにしよう。
「ここがとりあえず工房だということはわかったが、迷宮都市がどこにある目星がつかんのだが」
「迷宮都市を居住区画とするなら、私ならば地下ではなく地上に作りますね」




