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三層㊲ 矢
矢は微かに摩擦音を起こすとイルマスに向かい。
ナイフは俺の頬を掠ると後方に飛んでいた。
矢筒に手を伸ばすとイルマスの肩に矢が刺さったのが見えた。
ナイフと矢の側面を擦ることでナイフの進路をズレさせることが狙いだったが、これはズレて進路を取ってしまった矢の軌道修正に使えるようだ。
的が小さいので外す可能性が高いのが難点だが、汎用性は中々だろう。
矢筒から矢を取り出しつつ、岩礁の裏に移動し、ナイフを窪みに挿してまた飛び出る。
イルマスは接近戦に持って行こうという腹らしく俺が先ほどいた岩礁に近づいるのが見えた。
足に向けて矢を射ると奴は飛びこちらに迫ってきた。
近づいて来る奴に向けて矢を射る。




