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三層㊱ 臨戦

「なぜ僕の行動を邪魔するんですかあなたは」


「勝手に復讐を敢行されて、一方的にこっちが被害を被るのが嫌だからだよ。いいからナイフを下ろせ。リッチャンもだ」


 リッチャンは俺とイルマスを見てひとまずといった感じでガントレットを地面に落としたが、イルマスは依然ナイフを持ったままだ。


「イルマス、早くナイフをしまえ。もしかしてやり合う気だっていうのか」


「あなたが邪魔をするというのならそうするしかないでしょう」


「完全に頭が沸いてるみたいだな……イルマス」


 矢を引き、イルマスに向けて構える。

 あちらもこちらに合わせてナイフを投擲する構えを取った。


 ちょっとした威嚇のつもりだったが、イルマスはもう完全に臨戦態勢に入っている。

 復讐のためとはいえ、こいつはためらいというヤツを知らないのだろうか。

 少しくらいこちらの意図を慮る努力をしてもいいと思うのだが。


 そんなことを細々と考えているとイルマスの腕がわずかに揺れるのが見えた。

 投げる前の兆しだ。

 俺がよそ事を考えていることを読み取って、チャンスだと思ったのだろう。


 奴の腕が大きく動くのと同時に弦を放す。

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