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三層㉔ 相性

 だがいま聞くのはまずそうだ。

 襲撃に会ったばかりで心無しか警戒が高まってるここで聞いても、言葉を濁されることが容易に想像できる。

 それに俺はリっちゃんから素直に秘密や何やらを話されるほど信頼されていない。


「これも無しか。根本的な部分での解決は難しそうだな。進展のないことにこだわっててもしょうがないし、これからのことについて考えよう」


 周りの奴らにそう呼びかける。

 心なしかこちらに対する警戒がある程度は解けたような気がする。


「俺はとりあえず、しばらく追跡できないように負傷させてから逃亡しようと思っているがお前らは何かあるか」


「全力で逃亡した方がいいんじゃないですか。アイリッシュさんが殿を務めれば行けそですし」


 俺が提案するとファイルが異を唱えた。

 至極真っ当な事を言ってるな。

 アイリッシュが臆病でなければまさにファイルの言うとおりだ。

 アイリッシュの性格を無理やり矯正できる可能性があればそれでいいが、そんなものが存在しない今は殿をやらせるのは自殺行為でしかない。


「あいつは遠距離攻撃の威力が凄まじく高い。堅実に戦う近接職のアイリッシュとはメチャクチャ相性が悪い。それは現実的じゃないだろ」


「ですがアイリッシュさんは加護の力が使えます。相性の悪さはそれで補えるはずですわ」


「加護は万能なものじゃない。勇者が格別だからといってもそれは変わらない。相性の悪さを補える加護はさすがにアイリッシュも持ってない」


「本人に聞かなければわからないでしょ。どうなんですかアイリッシュさん?」


「もってないです。……ああっ」


 ファイルの問いにアイリッシュが簡潔に答えるとアイリッシュの加護が少し抜けた。

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