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三層⑳ 切断
「すいません、鉄矢100、矢100本ください」
「あいよ! 600DP確かに頂いたよ、また今度!」
翌朝買おうと思ってた矢を買い下宿を見るとちょうど俺の両隣の部屋の灯りが消えていた。
「やっと寝らそうだな」
近くの出店で買った揚げ物をついばみながら歩いていると崖の上にどこかで見た赤黒いオーラが立ち上っていくのが見えた。
オーラの下を見ると人と地面に突き刺さった大剣の群れが見えた。
遠くなので判然としないが、あのオーラはイルマスのもので間違いないはずだ。
ならばあそこに立っているのはイルマスとなるが、なぜあんなわけのわからないことをしているの皆目見当がつかない。
俺がそんなことを思いながら奴を見つめていると、イルマスは大剣の林の中から一つ持ち上げてから大きく後ろに腕を引いた。
何処からどう見ても投擲するモーションにしか見えないが奴は何をする気だろうか。
いや投げるにきまってるか。
俺が冷静になって結論に至ると俺が部屋を取った宿屋の二階が跳ねて、宙に浮かんだ。
まるでその様子は剣に思い切り振りかぶって切られた木偶に似ていた。




