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二層㊱ 選抜

「ウラヌス様が納得できないということなので、矜持と不破の二名以外の選定理由について順を追って説明しましょう。まずはグラシオ・マーキス。彼は鍛冶師でパーティー内の戦力増強に大きく役に立ちます。彼の父は鍛冶狂いのシオンということなので実力も保証できます」


「ほう、鍛冶狂いのシオンか。カースドシリーズを全て完成させてあの世に逝った男の息子とは凶兆が出なければいいが」


「爺さん、凶兆なんて今更流行らねえよ。そいつについては異議はない。次に行ってくれ」


 ニルヴァーナの言葉にトールが茶々を入れるのをいさめて、ガブリエルが先を促す。


「ではそのようにさせていただきます。次はイルマス・ポータランド。彼は書類に書いてある通り、勇者、メンタリスト、魔王のような新たなユニークの可能性が高く、戦技も殲滅力の高いものを有しています。それに蓄積型の呪い持ちということもあり、戦力を高める上に魔界に仕向ける時限爆弾にもなってくれる可能性をもってます」


「また不吉な名前の職業もあったもんだよ。降魔の門の一件では結構ひどい目に遭ってるみたいだし、そういうこともあるのかね。一つ言わせてもらうが、呪いが道中で蓄積しきったら元の子もないような気がするんだけど」


「経歴を見て、道中で果てることはなく、魔界まで何としてでも行くことを確信しています」


 ニルヴァーナがそう答えると質問の主であるウラヌスは気に食わないとでも言いたげに彼を睨み付け始める。


「なんでこの人たち隙あらばすぐにもめるのかしら」


 それを見たガイアが減らず口を叩くとニルヴァーナとウラヌスは露骨に不機嫌そうな顔をして彼女を見つめた。


「勝手に盛り上がるなよ。人の目を見る目があるニルヴァーナがわざわざ太鼓判を押すんだ。とりあえず信じておいて、違ったら財産没収でもすればいい。さて次に行こう」


「若干嫌なペナルティを課す旨が聞こえましたが気のせいにすることにしましょう。三人ん目はリッチャン・ゴール。彼女は単純にガブリエル様と同じ匂いがしたのでパーティーメンバーに選びました」


「ナイス選抜だな。そいつは大活躍間違いなしだ。次に行くか」


「待て」


 ニルヴァーナの言葉にとんとん拍子にことを進めていくガブリエルに対して、ウラヌスが待ったをかけた。


「そいつが一番怪しいだろ。ニルヴァーナ自身も鑑定隠蔽の可能性ありってしてるのに。そんな奴入れたって正気か?」


「だから言ったでしょガブリエル様っと一緒だって。彼女はとらえどころがないですが危害を加えない限りはなにもしてきませんし、それに」


「ああ、もうそれ以上はいい。聞くまでもないから」


「ガキからの付き合いなのに、なんでお前らから俺は信用されてないのか、全く持って謎だ。そろそろフラストレーションが限界に近くなってきた。ニルヴァーナ手短にやってくれ」


「最後はユースケス・トルクレンチ。ディーゴと同じ伝説の職業とミリーの内弟子でスキルのポテンシャルと対人戦闘については高い水準にあります。おそらく皆さんは心が見えるということがどう転ぶか留意してると思いますが、僕の見たところによると悪用するような人物には見えませんでした」


「一番ヤバそうな奴はリっちゃんていう奴だからその子はそれでいいじゃない」


「ウラヌス相変わらず性格がくそだな。そのユースケスが聖女よりましな奴ならOKだ」


「大丈夫です。ガブリエル様、ガイア様より性格の悪い人間はこの世にほとんど存在しません」


「神託が下りました。ニルヴァーナ地獄に落ちろとのことです」


「そうなんですか、寿命が切れたら堕とされそうですね。おそろしい」


「ニルヴァーナ煽るな。お前らのせいで胃がキリキリする。議会はコレでしまいだ。解散」

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