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二層㉞ 半狂乱

 イルマスはボスの掌底を避けて、背後から致命を掛けに入る。

 すると案の上、ボスは握りこぶしを作り、裏拳のモーションを取り始めた。


「リっちゃん、今だ!」


 俺が合図するとリっちゃんはボスの腕に飛びつき、ボスの腕を曲がる真逆の方向に曲げ始めた。

 ボスはまだ拘束が完成していないのにも関わらず、リっちゃんを視界に納めると悲鳴を上げて、暴れ始めた。


 そのあまりの暴れぷりにリっちゃんは吹っ飛び、背後を取ったイルマスも距離を取った。

 地団駄を踏みながら腕を振り回す奴の様子はもはや半狂乱と言ってもいい、いくらなんでも過剰反応が過ぎるだろう。


 ぶっ飛ばされたリっちゃんを見ると地面に叩きつけられた時の打ちどころが悪かったようで頭から血を流してきた。


「大丈夫か! 今回復するぞ!」


「……」


 グラシオがリっちゃんに駆け寄り、ボスの近くにいるイルマスはリっちゃんの姿をボーと見つめていた。

 イルマスの様子がおかしい。


「イルマス、ボーとするな一回こっちまで下がってこい」


 イルマスに指示を出すが奴は返事をせず、手に持ったナイフを地面に落として乾いた音しか返さなかった。

 放心しているな。

 そう判断して奴を回収に向かおうかと思うとイルマスの近くで赤黒い何かが蠢いた。

 ボスの仕業かと思い、ボスを見るが奴は地団駄を踏んでいるだけだった。


 イルマスを再び視界を戻そうとすると、視界の隅でボスの頭がねじ切られるところが見えた。

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