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二層㉝ 拘束
「拘束する戦技を掛けられる奴いないか?」
そんなもんいったらすでにかけてるよなと思いながらパーティーの面子に呼びかける。
「できるぜよ」
するとリっちゃんがボスの攻撃を往なしながらそう答える。
「本当か? じゃあなんで今までしなかったんだよ」
「あいつに懸けたところですぐに解かれるき、だったら攻撃した方が良か思ったぜよ」
「なるほど、まあ正しい判断ちゃ判断だな。拘束範囲はどれくらいだ」
「片腕じゃき」
「片腕か……。まあないよりましだな」
全身拘束出来ないかと期待したが、あんなでかい猿に全身拘束は無理臭いか。
そんな事が出来たらもはや人間ではない。
「イルマス先みたいに致命かけてくれ、途中で裏拳モーションをボスが取ったら振る方の腕をりっちゃんが拘束する」
「いろいろと突っ込みたいことはありますが、今はひとまずそれくらいしかありませんね」
イルマスはそういうとボスの下に駆けだした。




