魔界50 斬撃
ノルアクアはそこでダウンするかと思うと、傷にかまわず呪いを乗せて折れた刀を振るう。
アイリッシュはそれを光剣で受けとると聖剣を引き抜き、下がる。
すると下がったタイミングで光剣が壊れ、ノルアクアが続け様に連撃を放った。
アイリッシュはそれに即応して、聖剣を呪具とかち合わせる。
聖剣だけ破壊の呪いの対象外ということはなく、呪具を跳ね返すとバラバラに砕け散った。
「詰みだな」
奴がそういうとアイリッシュの真後ろから地面から幾片もの呪具のかけらがを飛び、横なぎの斬撃が繰り出された。
真後ろのかけらを受けても破壊の呪いを頭に受けて即死。
横凪の斬撃を受ければ胴体が分断されて即死。
絶体絶命の状態だった。
アイリッシュは後ろから迫るかけらに気づいてかはわからないが即座に身をかがめて回避した。
一滴も血を垂らすことなくアイリッシュは無傷だった。
だが様子がおかしい。
奴は負傷していないはずの目をキツく閉じている。
「呪いには空間を侵食する力があることを知らなかったようですね。目を呪われるのは余程の痛苦だと思うのですがよく耐えるものですね」
奴の言をそのまま受け取れば、奴の斬撃によって空間に生じた呪いをアイリッシュは目に受けたことになる。
「聖剣がなく暗闇であってもこの手を止めません」
アイリッシュはそれでも光剣を生み出して、ノルアクアに切りかかった。
気迫は十分。
だが狙いの定まっていない剣が届かないことは明白だった。
どうにかして奴の視界を確保しなければならない。
『アビスダイブLV1」しか使えないが、こいつでなんとかするしか道はない。
少しずつでもいいから相手の動きを伝えってアイリッシュに回避させる。




