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魔界45 ゴム

 光の刃が踊りそれを補うようにアイリッシュの聖剣が襲いくる。

 もしやのことを考えて対策はしてある。

 一度大きく距離をとると、『ハウンドショットLV5』を発動し、80番ーー金剛鉄の矢を奴に向けて放つ。


 矢は最短最速の軌道を取り、やつの心臓に向けてまっすぐ飛んでいく。

 奴はそれを目に止めると光の刃を自分の元にもどして、弾く。

 だが追尾付与された矢は弾かれた先から軌道を修正し再び奴めがけて飛んでいく。


「相手の手の内を知っているの放つ自分だけとは思わないでください」


 アイリッシュは一旦自分の元に下げた光の刃を半分ほどこちらに向け再び攻めに転じると、残り半分の光の刃で追尾する矢に対処し始めた。


 大雑把な攻撃しかできないと思っていたが意外に器用なやつだ。


 俺は追加で40番の矢ーー40層で出てきた刃の鋭さとゴムのような弾力性を持った敵ホイールマンの素材から作った矢を奴に向けて放つ。

 光の刃を当たりながらバウンドして無秩序な軌道を描くと、やつの甲冑に当たった。

 甲冑が割れると見たことのない組み合わせだったからか、冷や水を浴びせかけられたような表情をしたアイリッシュの顔が現れた。


 一瞬ゾッとした気配を感じると前転して右に飛ぶ。

 すると先程いた位置が大きく抉れ、アイリッシュが刃を振った状態で立っているのが見えた。


 急加速による突撃。


 奴らしくない攻撃の仕方だ。

 

 だが懐に潜られたくないこちらとしては極めて有効。

 奴の苦手な攻撃手段を攻撃手段を確立したらすぐこれだ。

 これだからステータスの高い奴は嫌なのだ。


 即座に突撃を連発させないために軌道の読みにくい40番を連射する。


 奴は冷や汗を流しながら40番を無視して、タメを作る。


 先ほどよりも早いのがくる。

 俺の敏捷でも避けるのは難しいことはすぐに想像できた。


 避けるのをキャンセルして、突撃の軌道上の奴の心臓の位置に狙いを定める。


 不思議と奴と過ごした日々が脳裏に浮かび矢から手を離す直前で指が動かなくなった。

 死んだな、そう確信すると聖剣が首の直前で止まったのが見えた。

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