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魔界40 防衛
出会った瞬間に即死した幼女。
謎の鉄塊に乗った顔の濃い二人組。
状況が俺の理解できる範疇を超えているが、あえて推測するとしたら、ここはアイリッシュが過去に負ったトラウマの世界ではないんだろうか。
でなければこんなものが心の中で残ってる意味がわからない。
「おい、アイリッシュ大丈夫か!」
困惑と共に推測を深めていると生垣の向こうから、聖騎士然とした男がでてきた。
状況と年の頃から見て、アイリッシュの父親だろう。
「あんたこの娘のなんなのさ!」
「いや、父親だよ!」
鉄塊乗りの二人のうちの一人ーーミニリュウとか言われていた男が逆ギレして怒鳴ると,アイリッシュの父親がキレ返す。
鉄塊乗りの男は情緒不安定のようだ。
『踏み込むな!』
俺がこの記憶の行く末を見ていると、突如脳に響くような異質な叫び声が聞こえた。
声の元の方に顔を向けると、白い甲冑がこちらに向けて剣を向けて立っていた。




