魔界31 域
矢を打ち出すごとに回避もセットで行う。
流石にこれだけ続け様に回避をすれば、奴に癖やタイミングが読まれる。
今はコンマ1秒ほどでなんとか避けられているが、すぐに均衡は崩れるだろう。
そろそろ頃合いかと目星をつけ、6番ーー血の矢を天に掲げながら、避ける。
案の定避ける先を読まれていたようで、避けた先に刀を振り上げた形で奴が現れた。
時を経ずに血の矢と刀の刃がぶつかる。
矢が壊され、血の矢に込められた血が空中に広がった。
血は膨張すると肉塊になり、俺と奴を引き剥がす。
奴は肉塊を斬りつけ,俺は飛ばされつつ奴に向けて『パワーショットLV10』を放つ。
奴は肉塊の処理中で刀が間に合わないと踏んだのか、顔を直前で右に逸らし避ける。
わずかに間に合わなかったようで、掠った頬から血が流れる。
奴のその姿を見て、俺は奴の弱点に気がついた。
奴は刀の動きの範囲でしか破壊の力を発動させられない。
つまりーー刀の可動域が限定されれば、破壊の力は発動させられない。
一人が奴の可動域を抑え、もう一人が攻撃をすれば奴は倒せる。
今すぐにでもイルマスと攻勢に乗り出したかったが、あいにく奴の武器はすべて潰されている。
呪いの霧の外にいる奴らに攻撃をしてもらう必要が有る。
そのためにはノルアクアを呪いの霧の外に誘導しなければならない。




