魔界19 空間魔法
白刃が奴に向けて放たれると、唐突に奴の獲物がリリンの杖に変わった。
生じた障壁によって刃が妨げられる。
だが妨げたられた刃は僅かの拮抗の後に障壁を貫いた。
「バリアさん、エナーのためにごめんね☆」
エナーはそういうとアイリッシュの突きを左にステップを踏んで避けた。
アイリッシュはそれを見ると、バックステップを踏みまくってこちらに戻ってきた。
後少しだったというというのに、武器の入れ替えのせいで台無しだ。
おおよそ、瞬間移動が得意なタックスの仕業だろう。
空間魔法の得意な奴以外に無詠唱でこんなことが
できる奴はいない。
イルマスと戦っており余裕らしい余裕もないというのに器用なやつだ。
「エナー交換」「うん☆」
アイリッシュが下がったのを確認すると奴らは各々の武器を早速の手に戻した。
さっそく態勢を立て直したようだ。
「態勢はすぐに治るようだが、障壁の方はどうだ?」
リリンに再び魔法を使われても面倒なので、先手を取って『パワーショットLV10』を奴に向けて放つ。
こちらにとって都合の良い推測では奴の障壁は先程でズタボロにされてしばらくは使えないはずだが。
放たれた矢はリリンに向けて飛んでいくと、やつはそれを杖を盾代わりにすることで防いだ。
ベキ!
「っ!」
矢を防いだ杖が折れると奴は驚いた顔をして杖を放棄した。
おおよそ矢では杖は折れないと高を括っていたのだろう。
相手の一人を潰すことには叶わなかったが、遠距離攻撃の手段を潰すことに成功した。




