魔界14 トリオ
「エナーのために捕まってごめんね☆」「戦略的勝利」
「あんたたちボーと見てないで助けなさいよ!」
ドヤ顔で勝利宣言する魔族二人に、鉄格子の向こうから助けるように要求してくるエリア。
さてまがいなりにも人質を取られているようだがどうしたものか。
このままでは確実にエリアの命を担保とした降伏勧告を受けることになりそうだが。
「あんたら久しぶりだな」
そんなことを考えているとおあつらえ向きに奴らのリーダーと目されるタックスが出てきた。
「こんな頭の悪そうな罠を作ったのはお前か?」
「なわけあるか、なんで俺がマタギみたいな真似をしなくちゃならん。バカ弟子どもの戯れだ」
「あんた! バカの戯れって…。それにひかかったエリアはどうなるのよ!」
タックスの言葉に触発され、ミカエルがいきりたつ。
その言葉を受けてグッ!とエリアが精神的ダメージを負い、なぜかアイリッシュが額から冷や汗を流した。
「バカ以上のバカ」
「ミカエル絶対許さない,殺す!」
タックスが簡潔に答えるとエリアが牢の中で暴れ始めた。
奴はここに至ってただミカエルと名のつくものを破壊する殺戮マシーンとして覚醒したようだ。
また新たな悲劇が生まれそうだ。
「知能ゼロなら薬にも毒にもならんだろう。人質の価値もないんだから解放してくれ」
「ああいだろう。うるさくてかなわんて思ってたところだ」
奴はインベントリから取り出した片手剣で牢を割るとエリアが飛び出してきた。
「誰が知能ゼロよ! やっぱりあんたから殺すわ」
なぜかミカエル絶対殺すマンのヘイトが俺に向かっている。




