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五十層5 呪い

 モノクロになった世界に亀裂が入りついに割れた。

 すると目の前には少し植生が豊かになった同じ土地が現れた。

 剣を振り下ろされて真っ二つにされたはずの人間はおらず、居るのは困惑した顔の攻略隊の面子だけだ。


「どういうことだ、何がおこった」「ここはどこザマス!」「チョヤバ、ベリヤバホリデイなんだけど!」


 皆口々に悲鳴を上げ、驚愕に満ちた表情で周りを見つめる。

 その中でこの事態を起こしたトルーズだけが不敵な笑みを称えてリッチャンを見つめていた。


「フフフ、困惑してますねえ。しょうがないので教えてあげましょう」レロおおお!


 リッチャンが見ているのに気づくと奴は、呪具の剣の刃をなめつつそんなことをほざいた。

 完全に正気ではない。


「彼の十年前を斬りつけた代償に、十年の時が経過してしまったのですよ」レロおおお!


 いい加減にしろ、舐めすぎだ。


「なんじゃと……! どうやらかなりの呪具がその呪いには宿ているようじゃな。……それにお主の様子を見ると武器が持ち主に関して何らかの変更を加えるようじゃ」


 リッチャンは相手方の行動を冷静に分析すると、拳を構える。


「最強の力を手に入れたこの僕にかなうと思ってるのですが、浅はか、あまりにも浅はか」レロおおお!


 その様子を見ると、トルーズは嘲った顔をして、リッチャンに近づいていく。


「ほらほらどうしました。この最強のボ、グヘェ!」


 なめ腐った態度の奴は左フックでぶっ飛ばされた。

 手に持っていた呪具を離し、鞠のように地面を跳ねていく。


「あああ、鼻がぁ! こ、こんなのう、うひょだあ!」


 止まると赤くなった鼻を手で押さえて絶叫する。


「ウソではない。早く残りのもんを出せ」


 リッチャンが近づき、要求すると奴は悔しそうに顔を歪めた。


「出来るわけないでしょう。もう共通インベントリに送って魔界の上層部で見分にかけられています」


「戯けがそんなものを見せれば目先の欲に捕らわれたあ奴らが何をするかなど」


 リッチャンはそう言い終わるか、終わらないかのうちに、走り出した。

 なるほど、魔族の上の連中は血の気の多い奴が多そうだ。

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