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十層6 管理

「星の素材ていうのは何だそれは? あの空に浮かんでるものじゃないんだろ」


「ええ、違います。星というのはこの迷宮の管理人のことです」


 管理人が居ると聞いていたが、まさか往々に言われてる神聖術――さすがにそんなものがここの管理をつかさどっているとは。

 あの腕と鎌の大本というのだから、何かおぞましい物ではないかという想像が出来なくもない。


「管理人なのに、壁の材料にもなるのか、超有能人材だな」


「体を自由自在に変化させられるのだから、全くその通りですね。でもその超有能人材の手綱を握っているのは本人のみなので私にとってそれほど嬉しい事ではないですが」


 こいつの言葉を聞いていると迷宮の管理側も楽しんでいるばかりではないようだ。

 言う事も聞かない上に、勝手に壁の素材に変身する上司など俺だったらカオスすぎて付き合っていられない。


「もとはと言えば、あの人が表層と管理層にコントロールパネルを作らなけられば、攻略途中の人間に管理層の存在が露見して付け入られることもなかったんですが」


 ミステルトはよほど上の者に不安が溜まってるのか、ぐぬぬっと顔をして不平不満を口にする。

 奴がこぼした不平のおかげで、先ほど言っていた『メチャクチャなやり方での攻略』の実像が見えて来た。要は裏方にしか入れないスタッフオンリーのバックに入って攻略するってことだろう。

 ミステルトの言う唯我独尊の管理人像からして、せっかく作った迷宮のギミックを無視するようなそんな攻略の仕方に腹を立てることは容易にわかる


「なるほど、お前がここにきて俺たちにヘルプを入れた理由が分かったよ。口ぶり的に表層とここの施設をやらなきゃいけないみたいだが、俺たちはどっちをやればいい」


「ひどく察しがいいですね、エスパーか何かですか。――表層の方をお願いします。管理層はアナタ方には深く知られるのも嫌ですからね」


「まあ、そうなるよな」


 俺たちが必要だからと言って、わざわざ上司の機嫌に障ることをするわけがないのだから。

 俺がミステルトの選択に対して変に納得していると、配置されたあとにどうすればいいのか気になって来た。

 奴の未来予知を早速有効利用させてもらうことにする。


「未来予知で表層がどうなるかすでに知っているだろう。俺たちにちょっとしたアドバイスとかは無いか?」


「アドバイスですか。あなた方には特にありませんね。そこのリッチャンさんにはありますが」


 リッチャンだけ?

 なぜリッチャンだけを呼び出す必要があるんだ?


 俺は少しミステルトの口ぶりにおどろかされ、ミステルトの方に行くリッチャンの背中を思わず凝視する。

 彼女たちしか知りえないことだが、一体二人が何を話すのかが気になってしょうがない。

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