十層3 ガードマン
異様な様子のリッチャンに対してなにがあったのか、確認しようと思うと彼女の方からこちらを振り向いた。
「気を付けい、洞窟の中によくわからんもんが入ってきた」
おもむろに呟かれた彼女の言葉を聞き、一旦尋ねることを保留して、振り返るとちょうど白いフードで体を覆った全身白づくめの何者かがこちらに来るところを見つけてしまった。
発見された本人はこちらが注視しても微動だにせずに、近づいてくる。
敵意は感じないので奴を出来るだけ刺激しない様に、武器を取り出さずに視線を向けるだけにどめているとやっとこちらの前に奴が至った。
「初めまして、利用者さん」
奴はそう口走ると目の前で、白づくめの所以たる白いフードを頭から除けた。
フードで隠された場所からは白い髪と青い瞳をした小奇麗な女の顔が現れた。
ひどく整った外見をしているというのに、魅力が感じられない。
まるで人形を見せられた時の気分とよく似ている。
「俺は利用者ていう名前じゃないがはじめまして、ストレンジャー。俺はユースケスて言う。アンタの名前と俺の前に現れた目的を教え欲しい」
自己紹介がてら、相手について尋ねると奴は一つ頷いて口を開いた。
どうやら何かこちらに言えない理由で近づいてきてわけではないようだ。
「私はこの迷宮のガードマン。迷宮をめちゃくちゃなやり方で攻略しているものが居るからそれを止める為にあなた方に接触しました」




