表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

295/375

七層64 同

 ロトフは両断され、やっと動きを止めた。

 もう換装するための仲間もいないし、これで本当の打ち止めだろう。


「大暴れしてくれたな。お前のおかげで二回死にかけたぞ」


 俺が小言を言うと、奴は骨張った体の左半分を俺に向けた。


「あんずるな。余は貴様の2倍は死にかけている。もっと年寄りを敬う精神を持った方がいいぞ」


 どうやら見た目より参っていないらしい。


「お前みたいな暴走老人を敬うのは心が無法地帯のすれた若者だけだよ。それよか、あんたが嘘をついたりなんだりして妨害してきたのはどういう了見だったんだ」


 そう問いかけるとケタケタと表情を変化させていた奴の骸骨顔が動きを止めた。


「人にこられて、余が困ったからだ。やっと人がいなくなって余の命が危険にさらされることがなくなったと思っていたのに、お主らが来たからな」


「俺らが来ただけでなんで命の危険に晒されるんだ」


「人が人以外のものを思いやる試みを持たんからだ。壊れても部品を交換すれば直るというだけで、危険地帯に送り込み、コアを粉砕されたらまた作れば良いと言う。こんなもの近くにいて命の危機を感じん方がどうかしてる」


 両目の空から見える赤い眼光をまるで燃やしているように強くするとそう辟易とした口調で言った。


「まったくその通りだが、同族の命をモノみたいに扱っていたお前に言われたくはないだろう」


 俺は矢を番えると奴に向けて連続で射出する。


「お前も同族なのに。悪びれもなく自分は無実ですなんて言うなよ。イライラするだろ」


 矢筒に収まった矢を全部出し切ると奴の頭は粉砕され、矢尻が顔から咲いたみたくなっていた。


 完全に息絶えたなと確信すると目前に転移陣が出現した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ