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七層57 更新




 どちらとも本物だと主張する二人の先王。

 飛んでも技術のオンパレードなここなら、どちらかが先王の完璧なコピーとしてもおかしくはない気がするが…。


 まあせんのない推測を続けてもしょうがないので、心の声を聞いて判断することにする。


 まずは生身の老人からこいつについては,さっきから心の声がだだ漏れで自分の事を先王だという主張にズレはない。


 もう一方の脳味噌の方に関しては精神強度が高く、心の声が聞こえないためにまったくもって判然としない。


 消去法ではこっちのジイさんの方を先王として事情を聞いた方が良さそうだ。


「ジイさん,あんたを先王として尋ねるがどうしてあんな液体の中につけられてたんだ?」


「知らぬ。ワシは自分の居室で呪いが広まることに対して警戒をしていた記憶しか持っておらん」


 どうやらこの先王は自分から液体漬けにされたのではなくて、何者かによって無理やりに入れられたらしい。


 一体誰が大昔にそんなことをしてくれたのだろうか。

 今手に入ってる情報だけではいまいち何者がやったかわからない。


「誰にこんなことをされる目に遭わされたのか、心当たりはあるか?」


「ない! 断じてないない! 機械の類のロトフを含めてワシの家内のものに裏切り者などあるはずがない」


「ロトフ?」


 ここで意外な名前が出てきたな。

 あの機械の爺さんは王家に仕えていたのか。


「なんだ知っておるのか。ひどく聡い機械族の長ロトフを」


「ひどく聡いねえ。俺があった時には鈍い老人にすぎんかったが」


「鈍い。そんなわけなかろう。あやつはいつも自分の思考スピードを最高の状態に保つために脳を最新式のものに作り替えておるというのに」


 脳を最新式のものにね。

 目の前の脳味噌を見て、嫌な符号を感じると共に、あのロードの遅いロートルと先王の認識に酷い違和を感じずにいられない。


 もう一度奴に会って確かめる必要がありそうだ。


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