二層⑲ 頭部に杭がジャストミート
「今のは背負い投げじゃ。戦技でもなんでもないわしの地域に伝わる体捌きぜよ」
「なるほど、お前の地域では背中をカタパルトデッキにするのか……」
リっちゃんが簡単にそう答えたので色々と謎は多かったがさして重要ではないので流す。
奴がおこした経過ではなく結果が大事なのだ。
リっちゃんはデカブツをぶん投げて、奈落に敵を吹っ飛ばせるというのが肝要。
――バーバリアン 三体撃破
――750DP獲得
俺が自分を納得させていると女の声が先ほどの敵から得られるDPについて知らせてくる。
一体で250DPか、ハンドレッドエイプよりもよほど効率がいいな。
奴らは100匹で500DPだからな。
しかも一匹目だけ100DPで倒していくごとに減っていくというぼったくり仕様。
ハンドレッドエイプの相手は出来ればもうしたくないな。
「皆さん、ここに罠のスイッチがあります、気を付けてください」
デカブツの出てきた穴に先行して入っていたイルマスがそう声を上げた。
バツマークとスイッチを確認しながら穴の中に進んでいくとイルマスが唐突にバックしてきて。
わざとスイッチを踏んだ。
「何やってんだお前!?」
俺がそう声を上げる先ほどイルマスが居た前方からバーバリアンがやって来て、奴の頭が弾けた。
「このトラップは杭が飛んできて頭部粉砕ですか。恐ろしい。僕が確認したところ以外は出来るだけ踏まないようにしてください」
どうやら奴はバーバリアンを生贄にしてどんな罠なのか確認したらしい。
盗賊としてのヤツは抜かりがないようだ。




