七層40 禁書庫
レベルアップしたおかげで敏捷が上がっているのか、半死後の倦怠感がいつもと比べるとそこまでひどくない。
続行して動くことは大丈夫そうだ。
偽物から情報がえられなかったが行方不明のファイルをそのままにしておくわけにはいかない。
「図書館に行ってファイルの痕跡を探すぞ」
そう周りの奴らに告げると歩を図書館のほうに向ける。
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白いツルツルとした壁と節々に走る光る線。
それは俺の想像としていた図書館とは大きく離れた代物だった。
見方を変えれば墓にも見えなくもない無機質な無骨さがある。
この中でファイルは偽物と入れ替わったと思うとある意味納得した。
この窓一つない密閉された空間の中なら傍目を気にせずに、不当を行うにはうってつけだろう。
痕跡を残してる確率は低そうだが、早速、中を確かめることにする。
「おい禁書庫が誰かにふさがれてるぞ! あけろ!」
中に入ると図書館のなかでは一悶着起こっていた。
「怪しいですね」
イルマスはそう呟くと人が集まる始めた禁書庫の扉に向けて大剣を叩きつけた。
扉がひしゃげ飛んでいくと、中に本を読んでいるファイルの姿を見ることができた。




