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七層38 爆発
とりあえず、奴は偽物だというとダッシュで逃亡を図り始めたので、皆で取り押さえた。
本来なら1人でも行けたところを腕力が足りずに他の奴らの力を借りたのがなんとなく不服だ。
本人じゃない確固たる証拠が有れば矢で足を貫いて1人でも十分行けたというのに。
こいつが偽物だと確信したのが取り押さえる時に触れて、体が鉄でできてるって気づいた時だからな。
「本物はどこにいる?」
「……」
自分の中にある小さなイラつきを処理しながら奴に尋ねるが返事は帰ってこない。
代わりにカタカタと耳障りな音が聞こえてきた。
なんの音かと聞き耳を立てていると奴の身体が黄色く発光し、膨れた。
流石にやばいなと感づくと爆風に吹き飛ばされた。
胸を抉られるような痛みとガラス瓶が割れる音が聞こえた。
傷が回復する感覚とダメージによって生じた疲労感に襲われながら身体を起こして奴を確認すると粉々になっていた。
あれでは話は引き出せそうにない。
ーーレベルアップ4→5!
徒労感に襲われるとなんとも言えないタイミングでレベルアップの声が聞こえた。




