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二層⑭ 迷宮都市出禁

「ぎゃああ! ケツに矢が! この会場にテロリストが居ます!」


 アイリッシュの隣で飛び跳ねて、警戒を呼び掛ける司会者。


「間に合ったか……」


「いや間に合ったかじゃないわよ、あんた何やってんのよ」


「すまん、あの司会者の尻を見てたら無性に矢を撃ちたくなって」


「なにその衝動……。とりあえずアイリッシュに逃げるように言ってここからずらかるわよ!」


「アイリッシュ戻ってこーい!」


 ミカエルが方針を決めるとグラシオ達が大音声を上げて叫ぶ。

 するとここからでも聞えたようで、アイリッシュは光の粒子を集めて絨毯を作るとこちらに向かってきた。


「一端都市の外に退避するわよ」




 ―|―|―




「なんか門に表示されてるわね。――住民との敵対。三日間の出入り禁止……」


「どうやら、このままボスまで一直線で行くしかなさそうですわね」


「ま、衝動的に矢を放ったり、魔導二輪を盗難したりすることは誰にもあるものぜよ」


「あんた、次やったらしばくわよ」


 三日間出禁というそこそこなデメリットを負わせたが、なんだかんだで許してもらえるらしい。

 こいつらの心が広いのとここが低層だったお陰だな。

 まあ完全に無罪放免とはいかんが。


「いきなり、中年男性のケツに矢を……!」


「おそらく彼は暗にあれのことを……」


 そう言いながら、訝し気な眼をこちらに向けてくるグラシオとイルマス。

 許されたのはいいがわけのわからない疑いを持ち始められたようだ。

 そのうち忘れることに期待しよう。


「フン! 行くぞ!」


(大丈夫、逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ)


 アイリッシュはどうやら、精神だけまだウルトラバンジーしているようだ。

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