六層49 大門
あからさまに怪しい神殿。
無論捜索しない手はないのだが、いかんせんこの場には俺とエリアしかいない。
後衛2人だけで突っ込んでいくのは流石に不安が大きい。
あのシスターどう見ても近接も出来そうな感じだったからな。
「雲の動きが早いわね。今近づいて行かないと中を探せなくなるかもしれないわよ」
俺が保留にしようかと思案していると、エリアがそう指摘した。
確かに雲の流れが早くどんどんと遠ざかっていくのが見える。
ここで逃せば遠ざかっていき、あそこだけ捜索するのが困難だと言うことになりかねない。
「しゃあない。2人で突貫するか」
ひとまずあちらの雲に乗っかるだけ乗っかることにする。
他のメンツもここまであからさまに怪しいなら見つければこちらに流石に調べにくるだろう。
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雲を渡って神殿に至ると、荘厳としか形容できないような大理石の門が現れた。
所々に金の装飾があるのが非常に奥ゆかしい。
奴の手が加わっていそうな感じではある。
門の前で他の奴らに発見されるのを待とうかと思ったが、他の雲から逸れていってる現状を鑑みると合流する可能性が著しく低いことに思い至り諦めた。
「入るか」
門を開き神殿の中に足を踏み入れていく。




