205/375
六層38 石膏
飛んでいた星を見るとだんだんとスマートになって、丘の上に着地するの見えた。
とんでもない生物だ。
こちらの常識がまるで通じない。
「星もリバイバルの一つのくせにあいつだけ他のやつと比べて、色々とおかしくないか」
「そんなことあたしに言われたって知らないわよ。あんなのここで初めて見たんだから」
俺の文句に対してエリアがゲンナリした感じで答える。
あれはどうやらリバイバルの中でも珍しい種類らしい。
この迷宮は固有種だったり、珍種がわんさかいるが一体どこからこんなにぽんぽん出しているのだろうか。
生態系の進化では説明がつかない気がする。
ー|ー|ー
夜の草原を通り、やっと丘の上に到着するとそこには前層にいた吸血鬼がいた。
前と比べると姿が白いという点で異なっているが、顔、服装全てにおいてそっくりそのままだ。
「あいつの石膏みたいだな」
「石膏ではない。私はヴァンプの弟フラットだ」
俺の軽口に対して至極真面目に真っ白な吸血鬼が答える。
「フラットじゃなくて星でしょうが」
それを聞いたエリアが奴に向けてそうごちった。




