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六層33 金塊

 願いを聞いていたはずの星だったが、反応を示さずに直立不動で立ち尽くしている。


「くそ!」


 ヴァンプはどうしようもない思いをぶつけるように拳を床に叩きつける。

 どうやら奴の様子からして願いを叶えることには失敗したようだ。


 シスターが言っていた回数まで祈りが足りなかったということだろうか。

 奴は見る限りずっと祈りを捧げていたので、叶いそうなものだが。


 とりあえず今はそれは置いといてどうにかして奴を捕縛することにしよう。


「エリアあいつを金の十字架に封じ込めることってできるか」


「できないわね。あれくらいのリバイバルだとそれ相応の金が必要になるわ」


「じゃああの教会にある大十字架が必要になるってことか、早く言ってくれよ」


「言ったところであれは教会の中で一番重要なものだから持ち出すことなんて出来ないしどうにもならないわよ」


 じゃあどこからあんな量の金持ってくると言うんだ。

 ここらには鄙びた家屋しかないし、とてもだがそんなものを取引してくれそうなところはないのに。


「金が必要なんですね。私に任せてください」


 俺が頭を悩ませているとファイルがそう名乗り出て外に飛び出していた。

 いや無駄だろと思っていると所々がキラキラ光る地面をバックに金塊を抱えた奴が帰ってきた。

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