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六層32 拝観
影にいる星をどうにかしてごまかそうと思案するがこんなものどうやっても誤魔化しようがない。
できることといえば寝そべって隠すという悪あがきだけだけ。
時間稼ぎをできるだけで不審感を募らせるだけだ。
もはやここまでくれば腹を括って真実を告白するしか道はないだろう。
俺がついにそう思い立つと星は影から地面に侵食し、もくもくと煙を立ち上がらせるヴァンプ宅に向けて移動し始めた。
急死に一生という奴だが、奴の手に星が渡るのはなにがしかの不安を感じざる終えない。
奴らがなにかしらを始める前に止めに入らなければ。
足早に奴の家に歩を進め、奴のもとにたどり着くと
「星よ、我が願いを聞け! 弟の所在を教えよ」
願いを叶えるように星に拝んでいた。